最近見た映画 (2018/10/01版):補足
上の記事↑に対する補足です。
原田眞人監督の新作【検察側の罪人】は、傑作になれる可能性があった映画ではないかと思います。でも、何もかもがよく出来ているこの映画にはただ1つ大きな欠点があり、それが総てを台無しにしていました。それは二宮和也さんの演技力です。
正直、木村拓哉さんの演技は予想以上に良かったです。
私はSMAPの一連の騒動ではネット上の噂をかなり真に受けていて、SMAP解散の直接的な原因は木村拓哉さんの判断ミスだったと考えており、自分の中での木村さんに対する評価はダダ下がりでした。が、本作での、苦悩に満ちた中年男性としての演技を認めない訳にはいかない。私はスクリーン上のパフォーマンスさえよければ、その人が他でどんな人であろうとある程度は許容できてしまうという癖がありますので(程度の問題は勿論ありますが)、木村さんが出ているという理由だけで作品を見もせずに拒絶したりすることは今後堅く慎まなければならないと決意しました。
これに対して、二宮さんの演技は、のっぺらぼうで、生きた人間の喜びや悲しみや苦悩、人間の存在の厚みや経験の奥行きのようなものを感じられないのです。
私は、かつて深夜放送で『Dの嵐!』や『Gの嵐!』などをやっていた頃から嵐が好きで(『Cの嵐!』は企画的にちと辛かった)、二宮さんがクリント・イーストウッド監督の【硫黄島からの手紙】に出演した時は本当に嬉しかったし、当時の二宮さんのナイーブな演技を見て何て才能に溢れた人だろうと心から思ったものでした。
しかしその後、【プラチナデータ】の頃からか、二宮さんの演技に少しずつ違和感を覚えるようになり、最近ついにその違和感が決定的なものになってしまいました。
最近の彼の演技を見ていると、眉根に皺を寄せてさえいればシリアスであり、あとはたまに怒鳴ったりしてメリハリを付けさえすればいいと考えているのではなかろうか、と思うことがあります。
個人的な観測ですが、彼の内面は良くも悪くも少年のままで、それ以降あまり成長していないのではないか、と思ったりします。
そして、彼が【母と暮せば】で日本アカデミー賞の男優賞をもらえたのは、少年に近い年代の役を演じたからではないかと考えます。仮に事務所が強力に後押ししていたのだとしても、箸にも棒にも掛からない演技ではいくら何でも最優秀賞まではもらえないでしょうから、この時の彼の演技にはそれなりの説得力があったのだと思います。が、それは、少年のナイーブさを演じるという彼のかつての得意技が役柄に合っていたからではないでしょうか。これに対し、最近の他の作品では、演技の傾向が、実年齢で求められる役柄とあまり合わなくなってきているのではないかと考えます。
ただ、人がどういう演技に感動するかというのは感覚的な問題なので、自分は二宮さんの演技が好きだと言う人がいらっしゃれば、その人の感覚を否定するつもりはありません。そして、これからも二宮さんを起用したい人がいて、二宮さんの演技を求める人達との間で需要と供給の関係が成り立てば、それでいいのだと思います。ただ私個人は今後、二宮さんが出演しているという要素を、作品を見たいと思う動機づけにすることはないだろうと思います。
最近見た映画 (2018/08/08版)
最近、こんな映画を見ました。
【万引き家族】
最高の演技陣が最高の演出で形にする日本のアナザーサイド。日本映画の最高到達点の一つになって当然。是枝裕和監督がいつか世界最高峰の映画監督の一人に列せられる日が来るなんて、そんなこと昔から分かっていたさぁ!
【菊とギロチン】
瀬々敬久監督の新たな境地。実効性の無い極端な机上の空論ばかりを夢想するアナーキスト達には、周囲の圧力に屈すること無く自由を渇望し自らの力で掴み取ろうと足掻く女力士達が眩しかったのではあるまいか。今も昔も、日本の権力構造がろくなもんじゃないことは変わっちゃいないさ。
【パンク侍、斬られて候】
荒唐無稽な町田康さんの原作をクドカンが独特のリズムで脚本化し、石井岳龍監督が勢いのまま形にする。破茶滅茶な役柄に嬉々として全力で取り組むイカれた名優の皆様が麗しく、その中で座長を張るゴーアヤノが放出するエネルギーが凄まじい。
【Vision】
美しい自然の中に人間の身体性が存在するという現象を空間ごと描出する河瀬直美監督の離れ業。今のこの時代に、いわゆる“コンテンツビジネス”とは全く違うベクトルの映画がまだ存在しうることを証明してみせたなんて驚異的だ。
【空飛ぶタイヤ】
このストーリーをよく2時間にまとめたものだと、林民夫先生の脚本力に感動。豪華なキャスト陣を、登場時間の少ない役にも贅沢に配しているのも効果的。その中心に据えられている長瀬智也さんの存在感は正に画竜点睛。
【ザ・ビッグハウス】
ミシガン大学に一年間客員教授として招かれた想田和弘監督が、同大の先生や学生の皆さんと撮ったアメフトの大学対抗戦の様子。それ自体が巨大な生命体のようなイベントは何もかもが桁違いで、アメリカという国のエネルギーの根源を見せつけられている気がする。
【北朝鮮をロックした日 ライバッハ・デイ】
スロベニアの実験音楽のバンド、ライバッハの北朝鮮でのコンサート。単なる見学の記録とは一線を画し、彼等との仕事上の折衝のままならなさを活写しているのが新鮮。これまで見た北朝鮮関係のドキュメンタリーでは【金日成のパレード】以来の白眉かも。
【30年後の同窓会】
リチャード・リンクレイター監督の新作。イラク戦争で戦死した息子の遺体を引き取るために旅する元ベトナム帰還兵と、昔の海軍での仲間たちの姿に、アメリカの違った側面が映り込む。“同窓会”なんて生ぬるく間違った邦題のせいでうっかり見逃すところだったじゃないのー !!
【バトル・オブ・ザ・セクシーズ】
セクスィー部長、とかではなくて性別間の戦いという意味。女は××だから不利益な立場を我慢させられるのは当然、という決めつけによる差別やハラスメントは、昔からあって今もなお存在し続けている。差別など無いという皆さん。私もできればそんなふうに無邪気に生きてみたかった。
【焼肉ドラゴン】
劇作家・舞台演出家の鄭義信さんによる自らの舞台作品の映画化で、日本の高度成長期を生きるある在日コリアン一家を丹念に描写する。一家の父母を演じる韓国人キャストのキム・サンホさんとイ・ジョンウンさんが特に素晴らしい。
【榎田貿易堂】
群馬県渋川市出身の飯塚健監督と渋川清彦さんがタッグを組んだ作品。渋川さん・森岡龍さん・伊藤沙莉さん・滝藤賢一さん・余貴美子さんのアンサンブルキャストが抜群!テレ東の深夜ドラマ枠とかでシリーズ化してくれないかなー。
【女と男の観覧車】
あまりに辛辣で救いが無い話を創る時のウディ・アレン監督って、おそらく私生活があまり上手くいってない……。しかし、自分を特別だと思い込みたいヒロインの醜さの描写が容赦ないのに較べて、その浮気相手の男の頭の軽さには随分寛容なんじゃない?
【子どもが教えてくれたこと】
重篤な病気を抱える子供達を描いたフランスのドキュメンタリー。自分の病気と冷静に向き合いながら今を精一杯生きようとしている子供達の姿はあまりに尊く、監督もかつて病気で子供を亡くされたのだと聞いてあまりに切なかった。
【ガザの美容室】
パレスチナ自治区のガザにある女性達の集う美容室は、苦難ばかりが待っている外の世界からほんの一時だけ逃れることができるアジール。パレスチナ系を中心とする女優の皆さん一人一人の力強さが本当に素晴らしい。
【返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す】
沖縄の日本返還時にアメリカとの交渉を担当した外交官が主人公。実話のドラマ化にありがちな冗長さとカタルシスの弱さは否めないけれど、外交には信念に基づく行動がいかに必要かということが丹念に描かれているのに感銘を受けた。
前回からもの凄く間が開いてしまってすみません……。言い訳をさせてもらうと、7月中に1週間ほどやむにやまれぬリフォーム工事が入り、その準備と対応と後片づけで疲れ果ててしまったのでした……。いや、単にやる気がだだ滑りしているだけですな。まぁそういう時期もあるかなぁ、と自分に甘くて重ね重ねすみません……。
今回の上位5作品は、今年の個人的ベスト10に入ってきそうな素晴らしい作品ばかりでした。夏休みに向けて公開された映画は次回に回させてください。東京医科大学は一回潰れてしまえ!まともな点数で入った学生の皆さんには申し訳ないけれど。
それではまたー。
最近見た映画 (2018/06/11版)
最近、こんな映画を見ました。
【レディ・プレイヤー1】
バーチャルリアリティものにオタク文化のエッセンスを真正面からブッ込むという新機軸の離れ業を軽々やってのける映画界のレジェンド、スピルバーグ監督(アラ古希)。監督のネームバリューと資金調達力がなければ決して為し得なかっただろう豪華競演も見逃せない。
【犬ヶ島】
テーマはズバリ「イヌはともだち」。何から何まで素敵なので、円盤が出たら買って1コマ1コマじっくり見返したい。この映画に多大な貢献をしたウェス・アンダーソン監督の友人・野村訓市さんは今後日本映画界の隠れたキーマンになったりしないかな?
【孤狼の血】
孤独な狼の血を継ぐってタイトルなのね!カタギの人を守るためなら違法行為も厭わない行き過ぎた刑事を演じる役所広司さんがどうしてもカッコいい。しかし、続編が決まったと言うけれど、彼なしの続編に果たして意味があるのだろうか……。
【女は二度決断する】
今世界で好きな映画監督を10人挙げろと言われたら、ドイツのファティ・アキン監督を必ず入れる。本作はネオナチのヘイトクライムで夫と子供を失った女性が主人公。トルコ移民二世の監督の様々な思いが込められていると想像する。
【ジェイン・ジェイコブズ ニューヨーク都市計画革命】
ジェイン・ジェイコブズは、ロバート・モーゼスという著名なディベロッパーによるロウアー・マンハッタンを分断する高速道路の建設計画を阻止した人物。ディベロッパーは今も昔も机上の空論に陥りがちで、人間の生理的な感覚を無視しがちという印象がある。
【ビューティフル・デイ】
【タクシー・ドライバー】から更に救いをなくした感じ。だからあの「It's a beautiful day.」と言う科白は“人生は美しい”と言うのと同じくらい重要なのに、単純に“いい天気”だとか訳してたらいかんでしょう。それにしてもホアキン・フェニックス先生ってば、自分の容姿に何か恨みでもあるんだろうか。
【いぬやしき】
日本のCGアクションもここまで来たか。新宿周辺の土地勘がある人は更に楽しめるだろう。高校生とサラリーマンが偶然得たスーパーパワーの使い方で道を分かつという展開もドラマチック。主人公の犬屋敷さんに木梨憲武さんをキャスティングした人は天才じゃなかろうか。
【モリのいる場所】
画家の熊谷守一とその周辺の人々を描いた沖田修一監督作品。昭和の薫りが懐かしい。山崎努・樹木希林夫婦の仙人ぶりが、某ジブリ映画を思い出してしまう雑草だらけの庭の佇まいにあまりにマッチする。
【ファントム・スレッド】
天才肌の人にありがちな日常のルーティンへのこだわり。それを放棄してもいいというくらい溺れ込むほどのいい女に見えなかったところがよく分からなかったんだよなー。あと邦題も難あり。でもダニエル・デイ・ルイス様の初老男のエレガントさが筆舌に尽くしがたかったのですべて赦す。
【のみとり侍】
テレビドラマ監督として名を馳せた鶴橋康夫監督、映画ではシリアスより重喜劇的な題材が嵌まるのかも。ストーリーを厳密に追うよりは、理不尽な状況に戸惑う阿部寛さんと恐妻家の伊達男の豊川悦司さんを中心に、雰囲気をふんわり楽しみたい。
【妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII】
今時専業主婦がいるのに旦那が家計を管理するという設定もなんだけど。奥さんが泥棒と鉢合わせたのに無事だったことを喜びもせず文句を言い始めるような旦那とは離婚しろー!奥さんがいなくなったら誰も家事ができないようなバランスの悪い家なんて崩壊しちまえー!と強く思った。
【心と体と】
鹿になって愛し合うという同じ夢を見た男女が現実世界で結ばれるまでを描いた不思議な味わいのハンガリー映画。孤独を抱える心の内をなかなか表に出せない主人公達に親しみを覚える。日本はもっとこういう国と仲良くした方がいいのでは。
【君の名前で僕を呼んで】
美少年と美青年のひと夏の避暑地の恋。ハピエン厨の私はチト辛い。美少年の親が、“失恋は失恋で大事にしような!”的なことを言い、むしろ息子をけしかけかねないくらいの寛容な雰囲気を醸していたのに結構驚いた。
【海を駆ける】
ディーン・フジオカさんの海の精的な役どころはよく分からなかったけど、インドネシアと日本の若い男女4人の交わりを描いた話だと思えば分かりやすいかも。太賀さんと阿部純子さんもいいけれど、インドネシアのお2人も誠実で真面目で素敵だなー。
【友罪】
友人が昔の殺人事件の犯人だったと知った後、自分の昔の“罪”にも向き合うことになる。それぞれの登場人物や1つ1つのエピソードには感情をゆさぶられるけれど、全体として訴えかけてくるものとなると少し弱かったような気がする。
【シューマンズ バー ブック】
伝説のバーテンダー、チャールズ・シューマンが世界中のバーを旅するドキュメンタリー。シェーカーを振るという業だけでカバン1つで世界を飛び回るなんてシビれるな~。日本のシーンも多く、日本がかなりのバー大国だったというのが意外だった。
【ラッカは静かに虐殺されている】
タイトルは、シリアのラッカの壊滅的な状況を映像情報として発信し続ける市民ジャーナリスト集団の名前。ラッカはクルド人勢力により奪還されたが、今度はクルド人とアラブ人の争いが起こっているという。シリアに平和が戻るのはいつの日か。
【マルクス・エンゲルス】
格差が広がり続ける社会にマルクスやエンゲルスが再注目を集める今日この頃。ただし本作は、彼等の思想をロジカルに紐解いたりするのではなく、彼等の若かりし頃を物語として描いたもの。当時の時代の雰囲気を知ることができたのはよかった。
【ザ・スクエア 思いやりの聖域】
主人公は現代美術のキュレーター。普通程度にずるかったり疑り深かったりするが、そんなちょっとした人格の欠点のせいで事態が次々に悪化する。そんな意地の悪いプロットが現代の不条理を焙り出しているのはそれなりに面白いけど、これがカンヌのパルム・ドールというのは少し物足りないかも……?
【サムライと愚か者 オリンパス事件の全貌】
オリンパス事件てこういう話だったのかと、頭の悪い私にもやっと少しだけ分かったような。閉鎖的で護送船団方式の日本の経済界は欧米の人々から見れば気持ち悪いものなのかも。まとめて沈み行く泥船になってしまったら困るのだが、もうとっくにそうなってるのかもしれないなぁ……。
【サバービコン 仮面を被った街】
ジョージ・クルーニー監督は、1950年代に白人コミュニティで起こった黒人排斥事件を描きたかったらしいのだが、そこに何故、昔コーエン兄弟が書いたという全然関係ないスリラーコメディのプロットをくっつけたのか。この奇妙な味はある意味忘れがたいかもしれないが。
【ラジオ・コバニ】
ISに支配されたシリアのクルド人の街コバニに大学生らがラジオ局を立ち上げてから、解放された街に復興の兆しが見え始めるまで。絶望的な状況の中で、お互いの連帯を感じられるよすががあることがどれだけ大切かを感じた。
渋谷のシネパレスはニュートラルな雰囲気が居心地が良くて好きだった。閉館してしまったのが辛かったんだけど、私は迂闊にも気づいていなかった。シネパレスの所在地と、先立ってPARCOの建て替えのために閉館したシネクイントの復活オープン先が同じビルだということに……!シネパレスはビルの所有者である三葉興業という会社が経営していたそうだけど、映画興行からは撤退して、跡地をPARCOに貸し出すといったところか。今度吉祥寺にできる5スクリーンのミニシアターもアップリンクとPARCOの共同経営らしく、PARCOはまだまだ映画に積極的に携わるつもりがあるらしいと知って胸が熱くなった。
最近見た映画 (2018/04/23版)
最近、こんな映画を見ました。
【ラブレス】
ほぼほぼ悲劇にしかならないアンドレイ・ズビャギンツェフ監督作品だが、気がつけば圧倒的に的確な人間描写の大ファンと化していた。本作では離婚寸前の夫婦が自分を押し付け合っているのを聞いてしまった子供が謎の失踪を遂げる。こ……こんなに自分のことしか考えていない人達が幸せになれる訳がないじゃん!
【ニッポン国VS泉南石綿村】
原一男監督が大阪・泉南の石綿集団訴訟に密着した8年間の記録。原告団一人一人の人となりが豊かに描き出されるから、被害者(被害者だって国民だよね)に寄り添うことのできない日本の行政や司法の不合理さや非情さが余計に浮かび上がってくる。
【ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男】
チャーチルを主人公にした映画って少ないように思うが、強烈なキャラの割に実態が掴めず、演じるのが難しいのではなかろうか。これに真正面から挑んだゲイリー・オールドマン先生はやはり超名優だと思い知らされ、その役作りに貢献した辻一弘氏を手前勝手ながら誇りに思った。
【村田朋泰特集 夢の記憶装置】
Mr.Childrenの『HERO』のMVなどで知られる人形アニメ作家・村田朋泰監督の作品集。人形アニメって1コマ1コマに愛を込めなければ成立しない気の遠くなりそうな世界。魂を吹き込まれた人形達が雄弁に語り出す異世界に没入するのは何たる贅沢。
【リメンバー・ミー】
これがメキシコとの国境にフェンスを作ると言っていた某政権に対するピクサー社の返答か。メキシコの「死者の日」って日本のお盆を極彩色にしたみたいな感じ?家族の物語という点に抵抗がある人は、大切な人に読み替えてみるのはいかがでしょう。
【ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書】
1970年代、ワシントン・ポスト紙が、他紙がスクープしたベトナム戦争についての機密文書を、様々な妨害に遭いながら全文掲載するまでの話。政治の暴走を監視するのがマスコミの役目だと明快に主張する。スピルバーグ監督もアメリカの政治の現状に対して思うところがあるのではないだろうか。
【クソ野郎と美しき世界】
おもちゃ箱みたいで楽しい!三人の個性を際立たせるためにも制作期間短縮のためにもオムニバスにしたのは多分正解。公開時期を短くして固定ファンに円盤を買ってもらおうという戦略もおそらく正しいだろう。飯島三智さんの手腕は本当に天才的なんじゃなかろうか。こんな人材を放逐してしまう会社に未来はあるのか。
【BPM ビート・パー・ミニット】
思えば1990年代初頭は欧米を中心にしたエイズ禍が最も猛威を振るった時代で、同性愛者の病気という誤解や偏見が強かった当時のことがいろいろ思い出された。こうした運動のおかげでHIV感染はある程度コントロール可能になったけど、不治の病であることに変わりはないし、エイズにまで進行した場合の致死率は未だに非常に高い。この病気との闘いはまだ全然終わっていないのだ。
【ハッピーエンド】
心通わぬ一族に連れて来られた少女が、冷え切った世界の底で思わぬソウルメイトと巡り合う物語……に見えた。だから、ミヒャエル・ハネケ監督作の割に絶望感が少ないような感じがしたんだよね。
【聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア】
自分の利益になることしか考えないエゴのぶつかり合いの世界に生じた「聖なる鹿」殺し。ギリシア悲劇がモチーフらしいけど、人間ドラマかと思って見ていたら、超常現象的な展開になってびっくりした。
【ブラックパンサー】
アフリカの隠れた超文明国という設定が面白く、オリジナリティ溢れる意匠や男女入り乱れる迫力満点のアクションシーンは問答無用にカッコいい!が、【アベンジャーズ】シリーズの1編という位置づけのせいかストーリーが中途半端だったような気がする。
【ワンダーストラック】
1970年代のアメリカでミネソタからニューヨークに父親を探しに来た男の子の物語。【エデンより彼方に】や【キャロル】など、女性の心情の機微を描くことに長けたトット・ヘインズ監督作としては確かに新機軸に思える。
【馬を放つ】
文字通り厩舎の扉を開け放ち馬を逃がしてしまう男の物語だが、自分の厩舎じゃなかったということが問題になる(そりゃそうだ)。元々騎馬民族だったというキルギスの人々の馬に対する思いが垣間見える一編。
【港町】
岡山県旧牛窓町での【牡蠣工場】の撮影中にいつの間にか素材が集まっていたという本作。登場する人物は圧倒的にご高齢者が多く、立派に見える街並みも空き家が多いという。黄昏に向かう世界。ソクーロフ監督の映画か何かにこんなのなかったかな。
【素敵なダイナマイトスキャンダル】
かつてはエロ雑誌、その後はパチンコ雑誌で一時代を築いた雑誌編集者の手記が原作。男性から見たらロマンがあるのかもしれないが、妻は愛想を尽かし、愛人は精神が崩壊してしまったのは、女性にとってはろくな男じゃなかったということなのでは……。
【彼の見つめる先に】
目の見えない男の子が、転校生の男の子との初恋を実らせる、可愛い少女マンガみたいなブラジル映画。しかし、主人公の男の子の絶対的理解者だった幼馴染みの女の子がちと可哀想な気がするのだが。
【ニワトリ★スター】
大麻のプッシャーの真似事のようなことをして中途半端に暮らす男性2人の行く末を描く。やりたいことを詰め込み過ぎてとっ散らかってしまった印象があるけれど、この熱量を美しい形になるように刈り込んでしまったら監督の個性が死んでしまうのかもしれない。
【ダンガル きっと、つよくなる】
息子をレスリングの金メダリストにしたかった父親が、息子が産まれなかったため、娘に宗旨替えしたという実話を基にしたインド映画。しかし、伊調選手の問題が表面化した今は、レスリング映画を公開するには最悪のタイミングだったかも……。
【北の桜守】
吉永小百合さんの映画は常に、映画女優・吉永小百合をいかに魅力的に見せるかという目的に資するためだけに作られているような気がする。でもそこに一定の需要と供給のサイクルが存在しているのであれば、それはそれでいいのかもしれない。
高畑勲監督、ミロス・フォアマン監督、タヴィアーニ兄弟の兄のヴィットリオ・タヴィアーニ監督といった巨匠の訃報を立て続けに聞く今日この頃。自分がかつて見知っていた世界は常に変質していくのだと思い知らされます。監督達が遺して下さった美しい映画の数々に感謝を捧げます。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
最近見た映画 (2018/03/08版)
最近、こんな映画を見ました。
【シェイプ・オブ・ウォーター】
王子様はお姫様にキスされても化物のままでしたが、二人は幸せでしたとさ。オタクの鑑(かがみ)のギレルモ・デル・トロ監督がメインストリームのど真ん中で認められる日が来るなんて感慨深い。時代の風向きの何かの変化を象徴しているのだろうか。
【スリー・ビルボード】
娘を斬殺された母親が、町外れに警察を告発する3枚の看板を立てる。アップダウンの激しい展開の中で、本編の主役は誰で何がテーマだったのかが最後のシーンで分かるという斬新さ。後者は無理解と非寛容の自覚じゃないかな。
【ぼくの名前はズッキーニ】
養護施設を舞台にしたスイス発のクレイアニメ。特異なビジュアルもすぐに可愛く見えてくる。シビアな話題も包み隠さずバンバン出てくるけれど、子供達の健やかな成長を祈る愛とユーモアがあるから、見ていて悲しい気持ちにならないのが麗しい。
【さよならの朝に約束の花をかざろう】
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『LUPIN the Third 峰不二子という女』などの作品で脚本などを手掛けてきた岡田麿里さんの初監督作品。母親はどうやって母親になるのかということにここまで真正面から切り込んだアニメはかつて見たことがなかったような気がする。
【犬猿】
兄と弟、姉と妹の二組が織り成すきょうだい間の軋轢あるある。どーせ私はキツくて背の低い小太りな姉ですが、ここまで自分のコンプレックスをこじらせてないし、そのせいで他者を攻撃したことなんてないわよー !! と少々凹んだ。
【星くず兄弟の新たな伝説】
【星くず兄弟の伝説】の内容を全然覚えていなかったが、本作は前作以上にごった煮でアナーキーなのは間違いない。80年代サブカルや映画そのものへの限りない愛が詰め込まれていて、手塚眞監督っていい人だなぁ~としみじみ思った。
【ライオンは今夜死ぬ】
ヌーヴェルヴァーグの申し子ジャン=ピエール・レオ先生にご出演戴き、諏訪敦彦監督もシネフィル冥利につきるのではないか。子供達の使い方が上手くて思った以上に瑞々しい情感に溢れ、諏訪監督作品で最も好きな1本になった。
【嘘を愛する女】
「~な女」的なタイトルは古くさいからやめれ。その点を除けば想像以上にしっかりと描かれたラブストーリーで驚いた。完全癒し系の高橋一生さんと、謝ることができない意地っ張りな女性役の長澤まさみさんのコンボは無双じゃない?
【はじめてのおもてなし】
お母さんがボランティアで難民の人に住居を提供すると宣言したのをきっかけに、バラバラだった一家が絆を取り戻す物語。欧州での難民に対する逆風のニュースをよく聞く今日この頃、一方でこのような映画が作られる土壌もまだまだあるのだなと思う。
【ナチュラルウーマン】
本作の監督さんは、トランスジェンダーの女性の映画を作ろうとして相談していた相手に、そのまま主役を依頼したのだそうだ。そんな主人公の存在感が何てったって圧倒的。そして同姓婚の法制化ってやっぱり必要ねって心から思った。
【祈りの幕が下りる時】
『新参者』シリーズ最終作だけど、本作だけ見ても多分大丈夫。数々の名優さんを贅沢に配して現代の親子関係が様々な切り口で描かれる。シークレットの親子ふたりのあまりに迫真の演技に涙せざるを得なかった。
【サニー 32】
ピエール瀧さんとリリー・フランキーさんが女の子を監禁する映画なんて心底嫌だなーと思っていたら、その子が○○になるという全然予想外の展開で呆気にとられた。北原里英さんの演技力は発展途上の印象、でもそのガッツがあれば絶対大成できると思う!
【巫女っちゃけん。】
グ・スーヨン監督のごった煮的な作風が結構好きだけど、広瀬アリスさんを悩める巫女さんにしちゃうなんて目のつけどころがいいんじゃな~い?広瀬すずさんは掛け値なしの天才だと思うけど、アリスさんも味のある名優になれそうな予感がビシバシするんだよね。
【blank13】
斎藤工さんが「齊藤工」名義で監督した作品。派手な内容ではないけれど、演者がみんな一流なこともあり、きめ細かなニュアンスまで表現が行き届いているのが好ましかった。後半は佐藤二朗さんの独壇場になっているきらいはあるけれど……。
【サファリ】
とても容認しがたいような言い訳をいろいろと重ねながら、おのれの征服欲のためだけに、レジャーとしての狩猟(トロフィー・ハンティングと言うらしい)を臆面も無く続ける一群の人々が未だに存在するのだという事実に、ただただ吐き気が止まらない。
【苦い銭】
中国の人達は、どういう生活環境でどのように働きどういう実感を持って暮らしているのか。ワン・ビン(王兵)監督のドキュメンタリーはいつも、ニュースを見ているだけでは分かりにくい、中国で地道に生きる普通の人々の姿を垣間見せてくれる。
【ビガイルド 欲望のめざめ】
後半は「オマエの辞書には自業自得という言葉はないのか!」と終始イガイガしながら見ていた。ソフィア・コッポラ監督は女性の内面の葛藤を描くのが抜群に上手いので、女性だけの牙城の人間関係の話なんてそりゃあもう鬼のように嵌まる。
【マンハント】
こんなの日本じゃないじゃんという皆さんには、ケレン味こそが醍醐味のジョン・ウー先生に一体何を期待しているのだと言いたい。後半までちょっと人物配置が分かりにくかったのもご愛嬌。私は楽しかったので聞く耳は持たない。
【空海 KU-KAI 美しき王妃の謎】
夢枕獏さん原作の歴史サスペンスで、実在の人物の名前は借りているけれど、中国語題の【妖猫伝】の通りほぼ架空の化け猫の話。そりゃそうだ、中国の皆さんには空海って誰だか分かんないよね。違う路線を勝手に期待していたのは申し訳なかった。
【15時17分、パリ行き】
実在の事件を本人達が演じるという掟破り。そして中盤に観光のシーンが延々続くのが物議を醸す。クリント・イーストウッド監督としては、日常の生活の中にいる一般人がテロに立ち向かうところに感銘を受けたということらしいのだが、主役の3人中2人まで軍人さんじゃないですか……。
【嘘八百】
中井貴一さんと佐々木蔵之介さんのおじさん同士のバディぶりが可愛らしい。けど、いくらいい詐欺師が悪い詐欺師を騙すみたいな話でも詐欺は詐欺じゃん?基本、自分は嘘は苦手だということを再認識して終わった感もなくはない。
【羊の木】
町おこしのために仮釈放された殺人犯を受け入れる、というあり得ない設定に今一つ気持ちがついていかなかったかもしれない。それ以前に、錦戸亮さんは以前も公務員役が嵌まっていなかったのを思い出してしまったのだが……。
【殺人者の記憶法】
名優ソル・ギョングさんの迫力に乗せられてつい前のめりになってしまったけれど、そもそも認知症の描き方が正しくないような気がするし、お話をここまでこねくり回さなくちゃいけないのかなーという疑問も頭をよぎってしまった。
今回は他に【グレイテスト・ショーマン】 や【リバーズ・エッジ】その他の映画も拝見しました。【グレイテスト・ショーマン】は、ミュージカルシーンは素晴らしいのですが、ストーリー的に食い足りないと感じてしまいました。【リバーズ・エッジ】は、あの原作を読んだ時の衝撃には到底敵わないというか、あの時代の底に貼り付いていたほの暗さは今の時代には再現不可能なものだし、それを今敢えて映像化することの意味を感じ取れませんでした。けれど、これらは歳の行ったおばさんの感想なので、先入観のない若い人が見たら違った意見になるのかもしれません。
あと、年末に見逃していた【バーフバリ 王の凱旋】を年明けに見に行きました!(【バーフバリ 伝説誕生】も予習して行きました。これは去年内に公開されたので当サイトでは去年の映画としてカウントしたいと思います。)正直、復讐というテーマがあまり得意ではないので、娯楽映画として力いっぱい楽しむのは個人的には難しかったかもしれないです。が、【ムトゥ 踊るマハラジャ】から20年余、インド娯楽映画のヒット作が定期的に出てくるサイクルができ上がりつつあるのは喜ばしい限りだなぁと思いました。関係者の皆様には、これからもこの鉱脈を末長く地道に掘り進め続けて戴けると嬉しいです。
今度こそはもっと短いスパンで更新できるように頑張りたいと思います。ではまた次回。
2017年の個人的ベスト30映画
2017年の個人的ベスト映画です。
1.【ドリーム】
2.【彼らが本気で編むときは、】
3.【沈黙 サイレンス】
4.【散歩する侵略者】
5.【彼女がその名を知らない鳥たち】
6.【武曲 MUKOKU】
7.【バンコクナイツ】
8.【マンチェスター・バイ・ザ・シー】
9.【わたしは、ダニエル・ブレイク】
10.【残像】
11.【幼な子われらに生まれ】
12.【海辺の生と死】
13.【サバイバルファミリー】
14.【リングサイド・ストーリー】
15.【夜明け告げるルーのうた】
16.【夜明けの祈り】
17.【光】(河瀬直美監督)
18.【パターソン】
19.【ローガン・ラッキー】
20.【海辺のリア】
21.【お嬢さん】
22.【エル ELLE】
23.【チア☆ダン】
24.【三度目の殺人】
25.【午後8時の訪問者】
26.【タレンタイム 優しい歌】
27.【娘よ】
28.【夜は短し歩けよ乙女】
29.【エルネスト】
30.【セールスマン】
(次点)
【KUBO クボ 二本の弦の秘密】【地獄愛】【ハートストーン】【花筐 HANAGATAMI】【ビジランテ】【火花】【ブレンダンとケルズの秘密】【ベイビー・ドライバー】【歓びのトスカーナ】【ルージュの手紙】
(ドキュメンタリー金賞)
【ヨーヨー・マと旅するシルクロード】【ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣】【パッション・フラメンコ】【おクジラさま ふたつの正義の物語】【映画 潜行一千里】
(ドキュメンタリー銀賞)
【サクロモンテの丘 ロマの洞窟フラメンコ】【ざ・鬼太鼓座】【メットガラ ドレスをまとった美術館】【エルミタージュ美術館 美を守る宮殿】【悪魔祓い、聖なる儀式】
(ドキュメンタリー銅賞)
【スティールパンの惑星】【すばらしき映画音楽たち】【海は燃えている イタリア最南端の小さな島】【禅と骨 Zen and Bones】
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ランキング形式のベストテンを選んだりするのは、おこがましいのでそろそろやめようかな~とか思っていたのですが、やってみると思ったより楽しかったので、やっぱり続けさせて戴くことに致しました。
世間の皆様の好む映画と自分の趣味とがますます乖離しつつある今日この頃ですが、今年も気にせず好きな映画だけを見て、好きなことを書き散らかしたいと思います。
最近見た映画 (2017/12/31版)
最近、こんな映画を見ました。(2018/01/14加筆)
【彼女がその名を知らない鳥たち 】
かつての蒼井優さんはお嬢さん女優のポジションにとてつもない窮屈さを感じていたのではあるまいか。他にも竹野内豊さんや松坂桃李さんのクズぶりや阿部サダヲさんの一途さなど見所満載。
【ローガン・ラッキー】
アンラッキーな3きょうだいの人生一発大逆転!ソダーバーグ監督は絶対にまた映画を撮ると思ってたよ!
【映画 潜行一千里】
【サウダーヂ】の制作チーム空族(くぞく)の最新作【バンコクナイツ】のメイキング。彼等は想像以上の確信犯で映画を創ってる!
【ビジランテ】
地方都市の3兄弟の欲望と因縁と因業にまみれた物語。……あれ?これはもしかして続編を考えてるのでは?
【二十六夜待ち】
記憶を無くした男と家族を亡くした女が互いを求めて寄り添う大人のラブストーリー。がっつり18禁。その必然性がある。
【ルージュの手紙】
かつて父親を自殺に追い込んだ義母が脳天気に面会を求めてきた……フロとドヌーヴのフランスの二大カトリーヌの競演。
【火花】
ドラマ版の林遣都×波岡一喜コンビもよかったけど映画版の菅田将暉×桐谷健太コンビもよかった!
【花筐 HANAGATAMI】
そういえばそもそも大林宣彦監督ってカルト映画監督だった……!全裸の男二人が馬に相乗りして夜の浜辺を疾走するシーンを見た時はどうしようかと思った。どうぞいつまでもそんな監督でいて下さい!
【KUBO クボ 二本の弦の秘密 】
日本文化のモチーフをびっくりするくらい昇華してオリジナリティを出している。こんなふうに易々と文化的越境が実現する時代がもう来ている。
【希望のかなた】
アキ・カウリスマキ監督は昔からエトランゼ(異邦人)を優しく描く監督さんで、難民問題を描いた本作もその延長線上にあるだけなのだと思う。
【南瓜とマヨネーズ 】
魚喃キリコさん作品の独特の空気感を臼田あさ美さんを通じて見事に血肉化しているのが素晴らしい。
【8年越しの花嫁 奇跡の実話 】
瀬々敬久監督が佐藤健さんをもの凄く褒めていた。土屋太鳳さんは器用じゃないけどひたむきさと熱さがある。そんな役者さん達の良さがよく引き出されている映画だった。
【ネルーダ 大いなる愛の逃亡者 】
チリ関連の作品を見ていると高確率で出てくる国民的詩人ネルーダ。勉強になりました。
【探偵はBARにいる3】
3作目にしてますます面白い。今時、シリーズ作品のヒット作って貴重。いい鉱脈を掘り当てたねー。
【勝手にふるえてろ】
妄想が暴走しているヒロインがこんなに可愛く見えるのは、一にも二にも松岡茉優さんの実力の賜物だと思う。
【最低。 】
【8年越し…】みたいなビッグバジェット作品と同時期に本作みたいな小品もさっくり手掛ける、そんな瀬々敬久監督が好きです。
【悪魔祓い、聖なる儀式】
イタリアを中心にしたカトリック教会では今でも悪魔払いの需要が相当あるらしい。要するに日本の狐憑きと同じような社会的ガス抜き装置なのではあるまいか。
【我は神なり 】
【新感染 ファイナル・エクスプレス】の監督が宗教詐欺を描いたアニメーション。超バッドエンド。日本のアニメには夢や希望を描くという不文律があるのだと知る。
【永遠のジャンゴ 】
ジャンゴ・ラインハルトの伝記映画というよりも、ジャンゴをモチーフにしてナチスのロマ迫害を描いている映画だった。
【ヒトラーに屈しなかった国王】
北欧の歴史はよく知らないことが多いので、もう少し勉強してみた方がいいかもしれないと思った。
【光 】
1つ1つのエピソードはどこか既視感があるようで、全体を貫く核となる物語が見極めにくくどこか散漫な印象が。
【KOKORO 】
東尋坊で自殺防止活動を続けている人をモデルにしたフランスの小説が原作だとのこと。描かれている心情は普遍的なものだと思う。
【エンドレス・ポエトリー】
【リアリティのダンス】の続編。ホドロフスキー監督のガチファンの人以外にどちらか1本を勧めるなら前作かな。
【星空 】
台湾の有名な絵本が原作だという2011年作品。時間が掛かりすぎでも公開されないよりはよかった!
【婚約者の友人 】
エルンスト・ルビッチ監督の旧作を翻案。技巧派の印象があるフランソワ・オゾン監督だけど、本作は技巧が勝ちすぎている気がする。
10月から全っ然更新できなくて申し訳ありませんでした!少し言い訳をさせてもらうと、近所に住む母(後期高齢者)がちょっとした怪我をしてしまい、入院等の必要はない程度ではあったのですが、日常生活には少しサポートが必要で、思ったよりいろいろ時間が掛かってしまいました。あと1ヵ月の間には元の生活ペースに戻り、たまにはブログを更新できるようになるかと思いますので、その節にはまた覗いてみて戴けると嬉しいです。
岡田准一さん&宮崎あおいさん、ご結婚おめでとうございます!
私はお二人とも大好きなので、お二人には幸せになって欲しいと心から思います。
(たまに見かける心ないことを言う方々のことは華麗にスルーして)どうぞ大きな幸せをゲットして下さいね!!