たそがれシネマ

最近見た映画など。

もっかのベスト5!(2012/07/20)

東京近辺で上映中の映画のうち、現在オススメするベスト5は以下の通りです。

 

1.【クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち
(世界一高級なストリップ、クレイジー・ホース。本物を見に行く機会はまずないだろうからなぁ……。)

 

2.【ぼくたちのムッシュ・ラザール
(自殺した担任の後釜にやってきた不思議な先生。カナダ映画は時々意外な秀作が出るのであなどれない。)

 

3.【ヘルタースケルター
(芸能界のイメージのカラーカタログみたい。良い点と悪い点が半々。沢尻さんは頑張ってると思う。)

 

3.【苦役列車
(ちゃんと創れば創るほどおよそ愉快な映画にはなりようもなく、それで興収低いとか言ったってねぇ……。)

 

5.【夜のとばりの物語
ジブリ配給でお馴染みのミッシェル・オスロ監督作。相変わらず超美しい幻想的な影絵巻。)

 

5.【グスコーブドリの伝記
(今や“自己犠牲”は美徳とは呼べないから、本質的に伝えるのが難しい面があるかもしれない。)

 

(次点)【ぱいかじ南海作戦
阿部サダヲさん演じる主人公の前半のいじましさはあまり好きじゃない。後半はやたら盛り上がるけど。)

 

今回は他に【死刑弁護人】や【モバイルハウスのつくりかた】などのドキュメンタリーも見ました。

 

【死刑弁護人】は、「オウム真理教事件」の麻原彰晃被告、「和歌山毒カレー事件」の林眞須美被告、「光市母子殺害事件」の大月(福田)孝行被告などの裁判を担当している安田好弘弁護士のドキュメンタリーです。

安田弁護士の主張の全てに納得できる訳ではありませんが、真実の究明を疎かにしたまま通り一遍の裁判を行うだけでは事件の再発防止には繋がらないという主張はもっともだと思いますし、何よりも、どれだけ凶悪な犯罪を行った犯人にも自説を主張する権利を与えなくては近代の裁判制度そのものが成立しない訳ですから、その犯人を弁護する弁護人は絶対的に必要なのです。時には理不尽極まりない妨害行為に遭いながらも信念を持って職務を果たし続けていらっしゃる姿には感服致します。

 

【モバイルハウスのつくりかた】は、坂口恭平さんという建築家の方が3万円以下の元手で3畳程度の可動式の家を建ててみる過程を追ったドキュメンタリーです。何でも、車輪さえつけておけば法律上は車両扱いになるので、宅地じゃなくてもどこでも置いていいらしいです。

不勉強で坂口さんという方を存じ上げなかったのですが、その特異なスタンスが一部では支持されていて、今年公開された堤幸彦監督の【MY HOUSE】も坂口さんの著作にインスパイアされたものなのだとか。家を建てるという行為は、今の日本の資本主義のシステムの中にがっちり組み込まれているためにべらぼうにお金が掛かる仕組みになってしまっている訳ですが、一旦現状から切り離したところでいろいろ根本的に考え直してみるというのは、確かに天才的な発想の転換かもしれません。

ただ、原発事故からのエクソダスについて語る終盤は個人的には少し余計かなと感じました。これには個人個人で様々な考えがあり、誰かに指示されるようなことでも、簡単にコンセンサスを作れるようなことでもないと思うからです。