たそがれシネマ

最近見た映画など。

もっかのベスト5!(2012/11/11)

(修正:2012/11/15)

 

東京近辺で上映中の映画のうち、現在オススメするベスト5は以下の通りです。

 

1.【アルゴ
ベン・アフレック様、今まで本当にどうもすいませんでした !! )

 

2.【終の信託
(やはりどこまでも圧倒的に映画的な周防正行監督の最新作。)

 

2.【黄金を抱いて翔べ
(ゴリゴリな味わいが堪えられない井筒和幸監督の正調ピカレスク。)

 

4.【のぼうの城
(あの姫様の行く末だけがちょっとねー……史実だからしょうがないけどね。)

 

4.【北のカナリアたち
吉永小百合さん、嫌いじゃないんだけど、さすがに生身の40代には見えないなぁ。)

 

もう全力で土下座して謝ります !! 【アルゴ】は傑作です !! 

ベン・アフレックさんといえば、無名時代にマット・デイモンさんとともに脚本を書いて出演した【グッド・ウィル・ハンティング】でいきなりアカデミー賞の脚本賞をもらい、スゴい新人達が現れたと大いに将来を嘱望されましたが、その後、マット・デイモンさんが一作ごとに評価を高めるのとは裏腹に、ベンさんは筋肉映画ばかりに出演したりジェニファー・ロペスさんとの馬鹿げた婚約騒動を引き起こしたりと、一時はかなり失笑を買う存在になり果ててしまっていました。かくいう私もその混迷期の印象が強すぎて、彼の最近の監督作がかなり評価が高いと聞かされても、どうもいま一つ信じ切れずにいたのです……(【ザ・タウン】を見た後ですら ! )。しかし今回、完全に考えを改めざるを得ませんでした。今まで色メガネで見ていて本っ当にどうもすみませんでした。

【アルゴ】では、1979年のイラン革命時のアメリカ大使館人質事件にまつわる史実が、文字通り映画的なサスペンスたっぷりに描かれています。クリス・テリオ氏の脚本が秀逸なのは勿論ですが、その脚本をドキュメンタリーかと見紛うような真に迫った描写に再構築している監督の手腕は見事の一言に尽きます。

私が一つ気に入ったのは、冒頭で、当時のイランの人々の怒りがアメリカ人に向けられていたのは、独裁体制を敷いていたパーレビ国王をアメリカが支援していたからだということをはっきり明示している点です。短いシーンですが、この説明があることで、「頭のおかしいイスラム人が罪のないアメリカ人に不当な暴力をふるっている」という見方を、彼らには彼らの命がけの正義があったのだという図式に転換し、随所に現れる怒りに満ちたイランの人々の姿を切実なものにしています。聞けば、筋金入りのリベラルとして名高いジョージ・クルーニー様が製作者として名を連ねているということで、一層成程と思いました。

もし今週映画を見に行く予定があるのであれば、選択肢の一つに【アルゴ】を是非加えて下さいね!

 

さて、まだまだこんな映画もやってます!

 

情熱のピアニズム
(先天性障害にも関わらず破天荒な人生を生き切った天才ジャズ・ピアニスト、ミシェル・ペトルチアーニのドキュメンタリー。)

希望の国
(今、原発について語ることはどう転んでも難しい。それを敢えて行う園子温監督の勇気は評価してしかるべきかも。)

アウトレイジ ビヨンド
(嫌いじゃないけどねー、“女性でも楽しめる”っていう触れ込みにはやっぱり無理があると思うの。)

思秋期
(脛に傷持つ大人同士が寄り添うことの痛みをしみじみ描いた佳作。)

 

ご無沙汰してました。9月にちょっと立て込んでた際に、映画に関する「やる気スイッチ」がどこかに飛んで行ってしまってました。まぁそういう時には無理してもしょうがないかなーと思いまして……。

 

今回は他には【恋に至る病】【最終目的地】【ペンギン夫婦の作りかた】【くろねこルーシー】【ソハの地下水道】などの作品も面白かったです。もう上映が終わってしまった作品もありますが、機会があったらビデオなどでチェックしてみて下さいね。