たそがれシネマ

最近見た映画など。

もっかのベスト5!(2013/12/07)

 

東京近辺で上映中の映画のうち、現在オススメするベスト5は以下の通りです。

 

1.【かぐや姫の物語
(世界のアニメ史にも映画史にも残るに違いない問答無用の大傑作 !!!!!!!!!!)

 

2.【夢と狂気の王国
ジブリの創作の秘密に迫りつつ、本作自体が思った以上に“映画”として成立していたのが驚き。)

 

3.【もらとりあむタマ子
(本作を見れば、前田敦子さんは女優としてやっていけると、誰にでも分かるのではないでしょうか。)

 

4.【おじいちゃんの里帰り
(ドイツのトルコ系移民の一家がトルコに里帰り。生き生きとした登場人物の温かい描写が秀逸。)

 

5.【ジ、エクストリーム、スキヤキ
ムーンライダーズの曲はとても映像的なのに、こんなにちゃんと引用してくれてる映画って今までなかった。)

 

5.【ペコロスの母に会いに行く
(アタシくらいの年になると、親の病気や介護って正に今そこにある未来なんだよう!)

 

5.【モンティ・パイソン ある嘘つきの物語 グレアム・チャップマン自伝
(G・チャップマンが生前吹き込んだナレーションを元に14人のクリエーターが制作したアニメーション作品。)

 

 

その他にもこんな作品がありました:

 

旅する映写機】は日本中で消えつつあるアナログフィルムの映写機がまだ頑張って活躍している小さな映画館などの現場を追った作品、【ある精肉店のはなし】はつい最近まで牛の肥育から屠殺までを自ら手掛けていた大阪・泉南地域の肉屋さんの一家を追った作品で、どちらも日本の女性監督が手掛けているドキュメンタリーです。撮影対象をくまなく映し取ろうとするあまり若干テーマがぼやける場合がある傾向もなきにしもあらずですが、どちらも記録しておくべきものに真摯に向き合っている作品で、その内容は一見に値します。

 

アイ・ウェイウェイは謝らない】もアメリカの女性監督が手掛けたドキュメンタリーで、政治的な発言も辞さない先鋭的な中国人アーティスト・アイ・ウェイウェイ氏の姿を追ったものです。日本にもいろんな人がいるように、中国にだって当然いろんな人がいる訳で、当局の弾圧に屈せず活動を続ける氏の姿には、通常なかなか接することの出来ないまた別の中国の姿が垣間見えるのではないかと思います。

 

マリア狂騒曲】は筆者が大ファンである井土紀州監督の新作ですが、1週間のみの限定公開だったため上の順位には入れませんでした。『青春H』というシリーズの1本ということで(すみません、初めて聞きました……)Hなシーンが唐突にやってくるのはまぁご愛敬といった感じですが、このポジティブに突き抜けた感じがスゴイです。井土監督、一体どうしちゃったのでしょうか。でもきっと、こんな鬱々とした時代だからこそ、監督は真逆のものを提示しようとなさっているのでしょうね。

 

斎藤久志監督の【なにもこわいことはない】も公開が終わったと思っていたのですが、本格的な公開はこれからということなので記載しておきます。見た後のこのもやもやとした感慨をどう表現していいか分からなかったのですが、このタイトルが「この世は怖いことだらけ」の反語なのだという瀬々敬久監督からのコメント(公式ホームページにあります)を読んで得心がいきました。この夫婦がささいな日常生活の手順を丁寧に繰り返す様は、まるで何かを振り払う儀式を延々と続けているかのように思えます。

 

劇場版SPEC 結(クローズ)漸(ゼン)ノ篇/爻(コウ)ノ篇】は、【劇場版SPEC~天~】を見て抱いた感想がそのまま当てはまってしまった感じです。これはもう完全に人知を踏み越えた世界の話になってしまい、ほとんど何も感情移入が出来ません。この手の作品が風呂敷を広げようとするとこうなってしまうのかなー、もっと他の方向性はなかったのかなーと、個人的には少し残念に思います。ただ、ラストシーンにツーショットがあったらしいということを後でネットで知り、すっかり見逃してしまっていたのがかなり悔しいです。今後のテレビ放送などを気長に待って確認したいと思います。