たそがれシネマ

最近見た映画など。

もっかのベスト5!(2014/03/22)

 

東京近辺で上映中の映画のうち、現在オススメするベスト5は以下の通りです。

 

1.【家路
(個々のドキュメンタリーじゃなく一般的な“物語”に昇華することの必然性ってあるんだなと思った。)

 

2.【ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅
(今まで見た“老い”を扱った映画の中で一番好きかもしれないな~。勉強になりました。)

 

2.【ダラス・バイヤーズクラブ
(“生き汚い”ことがこれほど輝く映画も珍しいかも。マシュー・マコノヒーの時代が来ちゃったね~ !! )

 

2.【あなたを抱きしめる日まで
(世界のどこにでもある黒歴史。参考作品として【マグダレンの祈り】や【オレンジと太陽】などはいかがでしょう。)

 

5.【アナと雪の女王
(『雪の女王』とは別物だとちゃんと言ってるからまぁいいや。結局、親の教育方針が元凶だったような?)

 

(次点)【銀の匙 Silver Spoon
(やっぱり原作に引き摺られてしまうけど、農業高校やばんえい競馬の実景が見られるのはいいと思う。)

 

(次点)【それでも夜は明ける
(実話ベースだから仕方ないけど、“奴隷として売られた自由黒人”というのは結構特殊な感じがするかも?)

 

(次点)【怒れ!憤れ! ステファン・エセルの遺言
(今の世界の欠陥ってどうやったら正せるんだろう。とりあえず金融システムに難ありというのには同意。)

 

他にもこのような作品がありました:

猫侍】: 【ねこタクシー】【くろねこルーシー】【幼獣マメシバ】の東名阪ネット6の動物ドラマシリーズの作品なのだそうです。まぁベタっちゃベタなのですが、白猫に萌えるコワモテ浪人の北村一輝さんの佇まいが絶妙で、総てを許せてしまいます。
ホビット 竜に奪われた王国】: 本シリーズが【ロード・オブ・ザ・リング】ほど盛り上がらないのは何故だろう?と理由をいろいろ考えてみたのですが、企画としてLOTRの二番煎じであるという以上に、キャストが地味っていうことに尽きるかな?と思い至りました。
偉大なる、しゅららぼん】: 万城目学さんの原作作品って、特殊なギミックを消化してお話をまとめるのにいっぱいいっぱいで、それ以上の広がりに乏しいような気がします。人間を描くまでに至らないというのかな?なんか勿体ないんですよね~。
東京難民】: “誰にでも起こりそうな”転落譚という触れ込みですが、どうしてここでこの行動を取っちゃうかな?というような箇所がいくつもあり、脇が甘すぎじゃね?と思うことしきりでした。まぁ、若くて人生経験に乏しいので仕方がないのでしょうか……。あと“都会の闇”を描くには少し古めな類型という感じもしたのですが、今だったら半グレとか振り込め詐欺組織とか、他にももっといろいろあるのではないでしょうか。

 

過日発表された米国アカデミー賞の長編アニメーション部門、風立ちぬは残念でしたね。しかし、本作はどちらかというと宮崎監督の個人的趣向が強い作品ですし、今年は自国内に【アナと雪の女王】という有力候補があったから、どのみち受賞は難しかったんじゃないでしょうか。それよりは短編の【九十九】の方がまだ可能性があったんじゃないかと思いますが、こちらも英語タイトルを『Possessions』にしちゃっていたのがどうも。ここはいっそ『Tsukumo』で押し切って、日本の九十九神信仰まで込みでアピールすべきだったんじゃないかと思います。
それより、長編アニメーション部門にさりげなくノミネートされていたフランス/ベルギー映画の【Ernest & Celestine】が激カワイイ!YouTubeでもトレイラーなどを幾つか観ることができますが、あまりの可愛さに完全にノックアウトされてしまいました!これは、ガブリエル・バンサンという絵本作家による『くまのアーネストおじさんとねずみのセレスティーヌ』シリーズを映画化したものらしく、日本でも、2012年のフランス映画祭で【アーネストとセレスティーヌ】という題名で上映したことがあるらしいです。これ、絶対イケると思うんですけど、どこかの会社で権利買って公開してくんないかな~。
かぐや姫の物語も北米での配給が決まったそうですが、こちらは手法の斬新さおよび美しさに加え、千年以上の歴史を持つ日本最古の物語をベースにしていて、高畑監督自身の日本人観も色濃く反映しているところが、“アカデミー”(学術)的にも価値はあるんじゃないかと思うんですけどね。賞なんてどうでもいいやと思いつつ、気になるところではあります。

 

ところで、NHKの朝ドラもそろそろ改変期ですね。『ごちそうさん』は最初どうなるのかと思いましたが、終わってみれば、森下佳子さんの脚本の味わいや杏さんの好演が光る作品だったと思います。私が本作で特筆したいのは、キムラ緑子さんでも高畑充希さんでも東出昌大さんでもなく、近藤正臣さんと宮崎美子さんのポテンシャルをお茶の間に再度知らしめたこと!特に宮崎さんは、クイズ番組などでご活躍するだけではなく、実はお母さん役などで数多くの映画やドラマにご出演なさっているのですが、本作では、芸妓でも老け役でもどんと来い!私は何だってやるわよ!という女優としての貪欲さを見せつけて下さったと思います。今後、お二人のますますのご活躍を期待しています。
そして、次回作の『花子とアン』にはヒロインの夫役で鈴木亮平さんがご出演なさるそうですね!私は小栗旬さんが監督した【シュアリー・サムデイ】という映画が割と好きだったのですが、この【シュアリー・サムデイ】組の主演5人(他に小出恵介さん、勝地涼さん、綾野剛さん、ムロツヨシさん)の最後の隠し球……って別に隠れてはいませんが、圧倒的な肉体美と男気の中に知的でナイーブな側面も垣間見える鈴木さんの、お茶の間レベルでの認知度が、今度こそ一挙に高まってくれればいいのになぁ、と願ってやみません。