たそがれシネマ

最近見た映画など。

もっかのベスト5!(2015/02/27)

 

東京近辺で上映中の映画のうち、現在オススメするベスト5は以下の通りです。

 

1.【味園ユニバース
(映画ファンなら本作の渋谷すばるさんは必見!二階堂ふみさんとの大阪弁の掛け合いが絶妙。)

 

2.【女神は二度微笑む
(インド娯楽映画のフォーマットを完全に脱した本格的サスペンス映画。超どんでん返しに唖然呆然。)

 

3.【みんなの学校
不登校児ゼロの取り組みをしている大阪市立大空小学校。これを実際に行っているということ自体が凄い。)

 

3.【バベルの学校
(フランスには各校に外国から移住してきた子供達が入る「適応クラス」という学級があるんだそうな。)

 

5.【悼む人
(死んだらさっさと忘れられたい私には主人公の意図は理解しがたい。それでもいろいろ考えさせられてしまったので。)

 

5.【映画 深夜食堂
(TV版は見てなくても大丈夫。大人がしっとり楽しめる良質なドラマ。出てくる食べ物も美味しそう。)

 

5.【リトル・フォレスト 冬編・春編
(農村へのUターン問題とロハス趣味がごっちゃになってるきらいが。それでもこの雰囲気は嫌いじゃないけど。)

 

(次点)【繕い裁つ人
(個人的には今までの三島有紀子監督作で一番しっくり来たかも。中谷美紀さんは未だに一作ごとに進化している。)

 

(次点)【娚(おとこ)の一生
(原作をうまくアレンジしてあると思うが、ヒロインのリケジョ度がかなり下がっているのが物足りないかも。)

 

今回は他にこんな映画もありました。

 

まずは、筆者がぼやぼやしていて少し公開時期が過ぎつつある映画を2本。

 

ワンダフルワールドエンド】は【アフロ田中】【スイートプールサイド】の松居大悟監督作。ブログやツイキャス配信などで地下アイドル的な活動を行っている売れないモデルと彼女の熱烈なファンの中学生女子の物語は、新しい時代の類型になり得るんじゃないだろうか。これは見逃さないでよかった !!

ジョーカー・ゲーム】は【SR サイタマノラッパー】【日々ロック】の入江悠監督作。優秀すぎるスパイの亀梨くんはカッコよかったけど、女には脇が甘過ぎなのが玉に瑕。この女役の深キョン、求められたものは何でもできてしまう人だけど、もっと彼女自身から発信する女優エゴみたいなものもそろそろ見てみたい気がする。

 

最後に、よく出来てはいるけれど、オススメできるかと言われればちょっと躊躇してしまう映画を2本。

 

フォックスキャッチャー】は財閥の御曹司が自らスポンサーになったオリンピックチームで殺人事件を起こした実話に基づく話。頭のおかしい金持ちが貧乏人の人生を弄ぶのって【藁の盾】と同じじゃん !! これからの時代、こんな話がもっと増えるのでは?とも思ったけれど、何よりも、アメリカでのレスリングのマイナースポーツぶりに凄く衝撃を受けました……。こりゃオリンピックから外そうって話も出る訳だ。日本も含めた他の国の人がもっと頑張って啓蒙活動しないとね。

アメリカン・スナイパー】は今回見た映画でやっぱり一番の問題作かなぁ。これは反戦映画なのか?と言われると違う気もするし、ならばよくあるタイプの戦争万歳アメリカ万歳映画なのか?と言われるとそれも違う気がします。本作は、このクリス・カイル氏という実在したスナイパーの心の中で起こっていたのではないかと思われることをおそらくかなり忠実に再現しているけれど、言わばそれしか描いていないのではないでしょうか。父親からマチズモ的な薫陶を受けて育ち、国を守りたい一心で軍に志願し、家族や同胞を守るためと自分に言い聞かせながら引き金を引き、でも殺した相手には子供や女性や、自分と同じように家族や同胞を守るために引き金を引くスナイパーがいることを目の当たりにして、起こってしまったであろう心の動揺の辻褄をどこかで合わせなければならず、毒に蝕まれるように戦うことに蝕まれていった。ただ、クリント・イーストウッド監督は、主人公に起こったことを悲劇的だと捉えてはいても、戦争や主人公の愛国心やアメリカという国が戦争をする大義自体は否定も肯定もしていません。だから、映画を見た人は、自分が読み取りたいテーマをある程度好きな形で読み取ることができるけれど、それはどれも正解なのかもしれないし、どれも正解ではないのかもしれません。