たそがれシネマ

最近見た映画など。

もっかのベスト5!(2015/04/17)

 

東京近辺で上映中の映画のうち、現在オススメするベスト5は以下の通りです。

 

1.【神々のたそがれ
(ロシアの巨匠A・ゲルマン監督の遺作。血と泥と糞尿にまみれた神話的世界はあまりに濃すぎてどっと疲れるほど…。)

 

1.【バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
(ここまでハズレなしのイニャリトゥ監督(メキシコ出身)。これは俳優さんの演技をがっつり堪能するための映画だ。)

 

3.【皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇
(メキシコの麻薬戦争は暗澹たる様相に……。社会や平和を成立させる要因について考えずにはいられない。)

 

4.【パレードへようこそ
(レズ&ゲイ団体が鉱山労働者を支援した実話に基づく。サッチャー時代の鉱山閉鎖がこれほど重大事だったとは。)

 

4.【マジック・イン・ムーンライト
(訳あり霊能力者にコロリと参るマジシャンの話。W・アレン監督の新作が可愛いロマンティックコメディで安堵。)

 

4.【ジヌよさらば かむろば村へ
松尾スズキ監督作。お金云々より、お互いスネに傷を持つ身でも受け入れて生きていこうよ!という話だと思う。)

 

4.【パプーシャの黒い瞳
(ロマの女性で初めての「詩人」となったパプーシャ。文字を使うことがここまで呪われた所業とされる世界って…。)

 

(次点)【死神ターニャ
(死神でいることに飽きた元死神を描くオフビートコメディ。全然恐くないお気楽な死神たちの造形が斬新。)

 

(次点)【ジュピター
グラフィックノベルをまんま実写化したみたいで普通に面白いけど、アニメ化した方が受け入れられるかも?)

 

(次点)【エイプリルフールズ
(何本もの並行するエピソードを分かりやすく飽きさせず見せる手腕は買いたい。後には何も残らないけれど。)

 

(次点)【STROBE LIGHT(ストロボライト)
大阪芸大出身監督のデビュー作。ストーリーは所々疑問だけど、新人離れした演出力は今後期待できるかも。)

 

龍村仁監督の【地球交響曲<ガイアシンフォニー> 第八番】が完成し、都内では先日まで公開されていました。(ぼやぼやしているうちに終わってしまってすいません……。)【地球交響曲】シリーズは、ジェームズ・ラブロック氏のガイア理論をベースに、地球環境と人間との関わりを描いたドキュメンタリーのシリーズです。(ラブロック氏自身も【…第四番】などにご出演なさっています。)今回は樹と人間との関わりがテーマかな?ガイア理論ってなんじゃらほい、ニューエイジっぽいのは何かイマイチ、などと思われる方々も、このシリーズを実際に見てみると、今まで知らなかったような世界観を持つ人を誰かしら見出し、何かしら参考にできる部分があるのではないかと思います。これから上映になる映画館や自主上映会等もあるかと思いますので、お近くでそのような機会がございましたらどうぞご覧になってみて下さい。

 

いろいろ考えた結果、【ソロモンの偽証】は見に行かないことにしました。成島出監督作なのでちょっと気になったのですが、2部作ということでわざわざ映画館に2回行かされることがそもそもかったるい上に、2部作という大義名分の元に時間も料金も2倍差し出すよう観客に要求する映画がこれ以上増えるのは勘弁してもらいたいと最近思うようになったからです。先日前編を見てしまった【寄生獣】を最後に、今後は2部作ものを映画館で見るのは原則的にやめようと思います。
前後編なんて公開方法が出てきたのはタランティーノ監督の【キル・ビル】以降じゃないでしょうか。【キル・ビル】の時もかったりーなーとは思いましたが、そこはタランティーノ監督、バイオレンス中心の前編と愛憎劇中心の後編でテイストを変えて2部作である必然性をちゃんと創り出していて、何となく納得させられてしまいました。でも、これがよくなかったのかもしれない。確かに、1本だけではボリューム的に描き切れないかもしれない作品を、予算も増やしてたっぷり見せたいというまっとうな意図が勝っている場合もあるかもしれませんが、予めある程度集客を見込める作品で同じ予算であれば少し引き伸ばして金を2倍取ってやろうという意図を結構あからさまに感じる場合もある訳で、今後、後者の映画が安易に増えてきたりしたらマジで嫌だなと思うようになりました。
個人的には、予めチケットを買って予約しておかなければいけない演劇などに較べ、いつでも好きな時に見に行ける手軽さがあったからこそ映画をより好きになったという経緯もあります。過去には3部作映画などにもそれなりに感動したこともありますが、基本的には面倒くさいです。映画はなるべく、思い立った時にいきなり見に行って、その場で完結するものであって欲しいです。
それにしても、基本的に見に行かないことにしている映画の種類(3D映画や戦争ものなど)のリストがまた長くなってしまったな……まぁいいけどさ。

 

歌舞伎町の旧コマ劇場跡に「TOHOシネマズ 新宿」がオープンしたそうです。昨年末に「新宿ミラノ」と「シネマスクエアとうきゅう」が閉館し、かつては10件以上あった映画館がついにゼロになってしまった歌舞伎町にまた映画館が出来るのはいいのですが、歌舞伎町から映画館が消え始めて以来、新宿の映画の観客は街の中心部の「新宿ピカデリー」や「新宿バルト9」といったシネコン周りの地域にすっかり吸収されてしまい、既に離れてしまった感がある歌舞伎町への客足が今更戻るのかどうか少し疑問に感じないではありません。まぁ東宝としては、コマ劇場の跡地は何とかしなきゃいけないし、直営のシネコンも欲しかったのでしょうか(「ピカデリー」は松竹・東急系で、「バルト9」は東宝のTOHOシネマズと東映の子会社ティ・ジョイの共同経営)。時間が合えばそのうち足を伸ばしてみようかと思いますが。

(2015/04/27追記)その後行ってみたら結構な盛況でした(笑)。ひとまず杞憂だったみたいでよかったです。

 

靖国通りから見た新宿東宝ビル(一番奥のビル)。3〜6階がTOHOシネマズ新宿。8階にゴジラf:id:youkaippp:20150427124614j:plain