読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

おばさんシネマ

最近見た映画など。

最近見た映画 (2016/05/09版)

 

最近、こんな映画を見ました。

 

モヒカン故郷に帰る
訥々とした語り口の中に隣人愛(今回の場合は親子愛)がじんわりと滲み出してくるタッチがいつもながら素敵。今後、日本で山田洋次監督の遺伝子を受け継いでいくのは、もしかして沖田修一監督なのではあるまいか。

 

台湾新電影(ニューシネマ)時代
ホウ・シャオシェン監督とかエドワード・ヤン監督が築き上げた映画史の一時代をほぼ同時代に経験できてラッキーだったなぁ。そして本人の言う通り、ツァイ・ミンリャン監督はこの中ではちょっと異質で浮いてると思う。

 

ルーム
監禁から生還できてよかった、だけで終わるのではなく、簡単にぬぐい去ることなどできる訳がない傷の深さを丁寧に描き出しているのが秀逸。アメリカ映画には珍しい淡々とした語り口だなぁと思ったら、実はカナダ映画だったりして。

 

スポットライト 世紀のスクープ
カトリック教会内での少年少女への性的虐待とその組織的な隠蔽なんて、キリスト教圏では社会の屋台骨を揺るがしかねないとんでもない大事件!様々な圧力や葛藤と戦ってこれをスクープした新聞社の気骨が凄い。

 

追憶の森
若者好きなガス・ヴァン・サント監督には珍しくおじさん2人が主人公。謙さんは現実の人間というより、マシューさんの記憶を昇華に導く樹海の森の精か何かのように見える。このチームでまた何か創ってくれないかな。

 

レヴェナント:蘇えりし者
息子を殺された男が復讐するという、言ってしまえばただそれだけの話を、ディカプリオさんが怒濤の迫力と圧倒的な緊密さで見せきる。その中にネイティブアメリカンに対する蹂躙の歴史が垣間見える。

 

蜜のあわれ
昭和のおっさんの妄想の産物も、二階堂ふみさんが絶妙に演じてるからギリ格調高い文学的ファンタジーで通るかも。赤いひらひらの金魚のイメージがエロティックで美しい。やればできる石井岳龍監督。

 

山河ノスタルジア
経済発展の波に揉まれて内面的に変質していく中国社会を活写し続けてきたジャ・ジャンクー監督。20年近く経って監督の描きたいものがやっと分かってきたような気がする。

 

下衆の愛
やることなすことサイテーでも映画への愛だけは本物であるらしい映画監督を渋川清彦さんが熱演。日本の映画界ってこんなに肉食系の人ばかりじゃないような気もするけれど……。

 

SHARING
3.11の記憶は共有できるのか。鑑賞中は引き込まれて見てたけど、説明しようとするとどうも難しい。主演の女性2人の理知的な美しさが作品に合っていた。

 

アイアムアヒーロー
世界がゾンビだらけになったら真っ先に噛まれて楽になりたいと思うのは自分だけ?アップテンポで見応えあったけど、結局、銃でしか身を守れないという展開に帰結するのは、アメリカで銃持ってる人と同じ理屈なのではあるまいか。

 

オマールの壁
合作映画は見たことあるけど、100%のパレスチナ映画が創られたのは初めてのことらしい。パレスチナ映画が絶望でなく希望を語れるようになるのはいつのことなのだろう。

 

緑はよみがえる
巨匠エルマンノ・オルミ監督のそのまたお父さんが、1世紀くらい前に第一次世界大戦に従軍した時の話。作中では緑はよみがえらない……というか、人類愛で蘇らせなきゃということなのね。

 

孤独のススメ
平凡な独身中年男の日常生活という地味な始まり方から、さる男性との同居という意外な展開に発展する、ちょっと独特なタッチのオランダ映画。ちなみに、孤独は全然ススメてませんけどね。

 

 

【青春100キロ】は、時間が合わなかったり満席だったりで見逃してしまいました。とりあえず、平野勝之監督がお元気そうで何よりです。また機会があったら拝見させて戴きたいと思います。

【64 -ロクヨン-】は後半が公開されてから見に行きます。基本的には2部作ものは見に行かないことにしておりますが(最近公開された某青春かるた映画もそれで断念しました)、何せ瀬々敬久監督の大ファンなので、仕方がないから泣く泣く見に行きます。観客に時間もお金も倍の負担を強いることに何の躊躇も良心の呵責も感じておらず、「同じ製作費で倍稼げる方法見つけたオレら天才~!」くらいにしか考えていない日本映画界は、滅んでも仕方がないのではないかと思います。