たそがれシネマ

最近見た映画など。

最近見た映画 (2017/05/03版)

 

ここ2ヵ月でこんな映画を見ました。

 

彼らが本気で編むときは、
私の好きなものばかりたくさん詰まった映画。リンコさんとマキオくんのカップル最強!周りの人物の描き方も丁寧。そして、ち○こを108個編んで供養するという発想がぶっ飛んでいて素晴らしい。

 

わたしは、ダニエル・ブレイク
費用を効率的に使うためであるはずのシステム化が人間性を蹂躙し追い詰める。これはきっと現代のどこの社会にもある話。最後の巨匠ケン・ローチ先生、どうかどうか、まだまだ頑張って戴きたい……。

 

午後8時の訪問者
そうやってあまりに非人間化された社会の中、人間性を取り戻そうとする試みが一方で地味に始まりつつあるのではないかと思うこともある。良心という一見陳腐に思える概念がその鍵となる。

 

バンコクナイツ
タイの歓楽街の映画と聞いてもピンとこなかったけど、日本社会とこんなにダイレクトに繋がっているんだな。そして何よりも、あまりに映画的としか言いようのないこのダイナミックさと豊穣さに驚かされた。

 

ヨーヨー・マと旅するシルクロード
ヨーヨー・マさんが音楽で世界と戦っているように、美しいものや楽しいものや可愛いものや光り輝くもので世界と戦いたいと思う。昔アルバムを買ったガイタ吹きのクリスティーナ・パト姐さんが超カッコイイおばさんになっていて痺れた。

 

娘よ
パキスタンイスラム部族の村で幼い娘が結婚させられそうになり母親と逃げる話。普通あそこで親切なトラック運転手は通り掛からないと思うが、実際逃げるということはそれだけ至難の業なんだろうなぁ……。

 

夜は短し歩けよ乙女
この圧倒的なイマジネーション!湯浅政明監督は控えめに言って天才!原作は5ページで挫折したが、このような形で映像化してもらえると咀嚼することができてありがたかった。

 

タレンタイム 優しい歌
マレーシアの巨匠ヤスミン・アフマド監督の遺作。暴力と不寛容の時代に、ユーモアを持って生きる方法を説く。本当につよくてやさしい人じゃなきゃこういう映画は創れないと思う。

 

お嬢さん
スレた人間ばかりが出てくる心寒い化かし合いの話かと思っていたら、とんだロマンティック純愛ストーリー(女性同士)だった。ヘンな日本語でもオッケーイ。今の日本にこの役が演じられる若い美人の女優さんはほとんどおらん。

 

チア☆ダン
そんな今の日本でイチオシの若手女優トップ2がご出演。内容的には【スウィングガールズ】のn番煎じのような気もするが、わざわざ実話を探してきてこれだけ丁寧に作られていたら文句は言えねぇ。

 

サクロモンテの丘 ロマの洞窟フラメンコ
人々の生活の中から立ち上がってくるフラメンコの生々しさがとても好み。個人的にはカルロス・サウラ監督の【フラメンコ】に次ぐフラメンコ・ドキュメンタリーの名作だと思う。

 

ムーンライト
ゲイの少年がアイデンティティを求めて彷徨う。これまで描かれ難かったアメリカ社会の様々な様相を映し取る本作がアカデミー賞の作品賞になったところに、アメリカの内面的な変質を感じた。

 

未来よ こんにちは
夫に離縁され、認知症の母に先立たれ、仕事も絶不調で、孤独まっしぐらの中高年のヒロイン。まったくもって他人事じゃないこの寄る辺なさも、お友達にして生きていくしかないんだよねぇ。

 

はじまりへの旅
ちょっと変わったパパと森の奥で暮らす6人の個性的な子供達。こんな役があまりにもピッタリなヴィゴ・モーテンセン様。こんな人達もいるのかも?と思わせるところも、またアメリカの懐の深さ。

 

人生タクシー
イラン政府から映画製作を禁止されているジャファル・パナヒ監督。今回は“車載カメラがたまたま撮った映像”としてタクシー運転手を主人公にした本編を制作。映画への飽くなき執念が凄すぎる。

 

モアナと伝説の海
そもそもハリウッド映画は世界中の文化を食い散らかしているので、ディズニーがポリネシア文化を食い物にしているという批判は今更。本作を見てポリネシア文化を理解した気にさえならなければいいんじゃないの?

 

しゃぼん玉
一歩間違えるととんでもなく陳腐になりそうなストーリーだけど、市原悦子さんや綿引勝彦さんの演技の安定感が半端なく、安心して見ていられた。それに私、林遣都くんが出てるとどうも見ちゃうという癖が……。

 

メットガラ ドレスをまとった美術館
服飾の歴史を美術史に組み込むのはいいとして、資金集めのためとはいえ年一回ハリウッドセレブを招いてどんちゃん騒ぎするのをシステム化する必要があるのか。良くも悪くもアメリカ文化の縮図だなーと感じる。

 

汚れたミルク あるセールスマンの告発
グローバル企業の不正を告発しようとした個人が受ける妨害、という英雄物語に留まらない様々な位相を見せる本編は、現代社会のままならなさそのものを表現しているのかもしれない。

 

ひるね姫 知らないワタシの物語
夢の世界と現実世界のリンクが分かりにくいというか、ちょっとご都合主義的では?あと、元岡山県人としては、他県人の話す岡山弁がどうしても不自然に聞こえてしまうのは致し方あるまい。

 

 

3月からこの方、自分史上かつて無いほど仕事が忙しい日々が続き、法事が重なり、その間にイベントがあり……もともと虚弱な私めは、ちょっと疲れました。例年より見ている本数も全然少なく、もう終わってしまっている映画ばかりですが、自分の備忘録として挙げておきます。