もっかのベスト5!(2014/06/14)
東京近辺で上映中の映画のうち、現在オススメするベスト5は以下の通りです。
1.【ぼくたちの家族】
(これも控えめに見積もっても大傑作 !! 石井裕也監督も完全に次世代の巨匠。まだ30歳ってほんまかいな。)
2.【みつばちの大地】
(世界的な蜜蜂の減少という異常事態を扱ったドキュメンタリー。蜂蜜は産地を選んで買わねばと強く思った……。)
3.【女子ーズ】
(脱力系女子あるある×戦隊モノあるある!しかし正社員と正義の味方の兼業ってそりゃ無理ですってば。)
4.【罪の手ざわり】
(近年の実際の暴力事件を元にした話。ジャ・ジャンクー監督の描く中国がやっと少し分かってきたような。)
5.【青天の霹靂】
(根は育ちがいいけどひねくれものの劇団ひとり監督の、ベタだけどシュールな感性が垣間見える気がする。)
5.【グランド・ブダペスト・ホテル】
(W・アンダーソン監督の最新作。設定が凝りまくり過ぎていて個人的にはあんまり感情移入できなかった……。)
5.【インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌】
(コーエン兄弟の描く裏道の人生の侘しさ。ボブ・ディランをインスパイアした伝説の歌手がモデルとか。)
(次点)【闇のあとの光】
(メキシコのC・レイガダス監督作品。マジック・リアリズムっちゅうか訳わからん、でも凄く印象に残る大問題作。)
今回は他に【六月燈の三姉妹】や【いなべ】なんて作品もありました。(【いなべ】はそろそろ東京での公開が終わってしまうかな。)これらは両方とも地方発信のいわゆる「ご当地映画」と呼ばれている映画です。ベテランの佐々部清監督による【六月燈の三姉妹】は、吹石一恵さんや津田寛治さんらの魅力的なキャストを迎え、鹿児島の六月灯(ろくがつどう)という風物詩をモチーフにして描く王道的な作品。片や新鋭の深田晃司監督による【いなべ】は、日本全国どこでも起こり得るようなお話なのですが、舞台にしている三重県いなべ市の空気感が妙に印象に残ります。(主演に抜擢されたハイキングウォーキングの松田洋昌さんは、塚本高史さんをもっとリアルにしたみたいな感じで滅茶いい!必見レベルです!)一口に「ご当地映画」と言っても方向性が全然違っていて面白いですね。
ただ、私は一般的な「ご当地映画」には疑問を感じる場合も少なくありません。何故かというと、地元でいろいろな方々に協力を仰いで作ることが多い「ご当地映画」は、各方面の意見に耳を傾けるあまり最大公約数的な作品になりがちで、毒にも薬にもならず、ついでに話題にもならないといった結果に終わることが少なくないように思うからです。地域が一丸となって何かを成し遂げたという満足感を得たいだけなのであればそれでもいいのですが、ほとんどの場合はいわゆる“街おこし”の期待を込めて大枚をはたくのでしょうし、それで思ったような費用対効果が得られない場合も少なくないのでは。しかし、それだけの魅力を持つ作品をプロデュースするのは難しいということを無視して、そうした不首尾を映画というメディア自体の限界みたいに言われたりするとなると、それはちょっと我慢がならないんですよねぇ。