たそがれシネマ

最近見た映画など。

もっかのベスト5!(2015/08/05)

 

東京近辺で上映中の映画のうち、現在オススメするベスト5は以下の通りです。

 

1.【バケモノの子
(キャラクターも舞台設定もストーリー展開も完全無欠。今までの細田守監督作品で一番好きだった。)

 

2.【野火
(ここ10年位に作られた太平洋戦争映画では最も見る価値があるだろう。個人的には藤田嗣治戦争画を思い出した。)

 

3.【ルンタ
(非暴力主義のチベットの人達は怒りを他者へ向けないからテロじゃなく焼身自殺に帰結するのだという…。)

 

4.【お盆の弟
(【キャッチボール屋】の大崎章監督の約10年ぶりの新作。渋川清彦さんがたっぷり見られてもう幸せで幸せで。)

 

5.【セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター
(最新作『GENESIS』に至るまでの写真家サルガドの軌跡。ていうかまだご存命という基本情報さえ知らなくてすいません…。)

 

5.【サイの季節
(やっと公開されたイラン出身のB・ゴバディ監督の最新作。個人的には人物の見分けに苦戦してしまいちょっと失敗。)

 

(次点)【HERO
(万人の期待に応えることを狙ってそれを果たすのだから凄いと思う。福田靖氏の脚本もやはり盤石だった。)

 

ピクサーの新作【インサイド・ヘッド】は個人的には今一つでした。感情の各要素のそれぞれに人格があるような設定そのものに違和感を感じている時点でこの作品の鑑賞者としてはあまり相応しくなかったのでしょうが、JOY(ヨロコビ)って自分だけが正しいと思っている傲慢な感情なのねーという印象を払拭できなくて終始鼻白んでしまったのです。これ、もし日本の人などが作っていたら、SADNESS(カナシミ)をもっと中心に据えた話になってたんじゃないですかね。少なくとも私には、その方がまだしっくりくるような気がします。

 

先日までテアトル新宿で3週間限定で公開されていた石原貴洋監督の『大阪バイオレンス、3番勝負』の3本【大阪外道】【大阪邪道】【コントロール・オブ・バイオレンス】が本当に素晴らしく、かつて三池崇史監督の映画を最初に見始めた頃のような興奮を覚えました。文字通りバイオレンスをテーマにした作品群なのですが、テンポのよい会話のシーンに宿るユーモアにも何とも言えない味があります。こんな方がいらっしゃったことを知らなかったなんて、自分の不明に恥じ入るばかりですが、もしかして、石原監督に限らず、【サウダーヂ】の空族や【そして泥船はゆく】の大田原愚豚舎など、東京以外に軸足を置いて映画を作ろうとする人々が全国的に少しずつ増えつつあるのではなかろうか、という気がしてきました。