たそがれシネマ

最近見た映画など。

最近見た映画 (2017/06/12版)

 

最近、こんな映画を見ました。

 

武曲 MUKOKU
剣道をテーマにした作品を見たのは『六三四の剣』以来かも。常人には理解しがたい命のやり取りをする道があり、その中で苦しみ抜く綾野剛さんが凄い。村上虹郎くんとの化学反応は必見!個人的にはこれが熊切和嘉監督の最高傑作だと思う。

 

マンチェスター・バイ・ザ・シー
兄の死をきっかけに故郷に帰り、決して消せない自分の過去と向き合う話。生きていれば前に向かって進んでいくしかない、完全に拭い去ることは出来ないのだとしても。人生の機微を丁寧に描いた傑作。やればできるアメリカ映画。

 


視力を失いつつあるカメラマンと、彼を愛するようになる女性の物語。ディスクライバー(音声ガイドの原稿を書く仕事)という職業を初めて知った。見える世界と見えない世界の境目にこれだけ迫った映画は見たことがなかったかもしれない。

 

夜明け告げるルーのうた
何度も書いているかもしれないが、湯浅政明監督は控えめに言って天才!可愛いルーちゃんも、寂れた漁港の街の描写も、田舎に馴染めず鬱屈していた少年の物語も、音楽のように弾け飛ぶアニメーションも、何もかもが素晴らしい!

 

海辺のリア
おそらく認知症である元有名俳優とその家族が語る物語に『リア王』が重なり合う。名優しかいない出演者の中でも、コートを羽織ったパジャマ姿で海辺を彷徨う仲代達矢大先生は圧巻オブ圧巻。今後の映画も全出演作見ますんで、どうぞいつまでもお元気で。

 

ザ・ダンサー
モダンダンスの祖ロイ・フラーのサーペンタインダンスというものを初めて知った。白い衣装をはためかせ色とりどりの照明が当てられるダンスが超絶美しい。ミュージシャンであるソーコさんの強い意志が感じられる顔つきがヒロインにぴったり。

 

家族はつらいよ2
前作同様、我儘勝手で被害者意識いっぱいの爺さん(橋爪功さんが上手すぎる)にウキーッとなりつつも、いろんな人生が透けて見える展開に、しょうがないな~と思わされる。間近でいきなり誰かが急死した時のマニュアルにもなるかも?

 

メッセージ
誠に手前勝手な印象では、【未知との遭遇】に『ツイン・ピークス』の時空の歪み感とモノリス(何故ばかうけ型なのか)を足した感じ?悲劇しか待ち受けていないと分かってしまった未来に突入する勇気は、私にはとても持てませーん。

 

カフェ・ソサエティ
1930年代の華やかなりしハリウッドの雰囲気に、ほろ苦い恋のテイストをミックスして。しかしなー。不倫モノを作る時のウディ・アレンって大抵本当に不倫してたっていう過去の歴史がちょっと気に掛かるんだけど……。

 

エルミタージュ美術館 美を守る宮殿
エルミタージュ美術館の建物自体の美しさに驚かされた。エルミタージュ美術館サンクトペテルブルクやロシアの歴史と分かちがたく結びついた生きた美術館だということもよく分かってよかった。

 

ろんぐ・ぐっどばい~探偵 古井栗之助~
タイトルに違わず【ロング・グッドバイ】へのまっとうなオマージュが強く感じられた。森岡龍さんはもっともっと全国的に名前が売れて欲しい!しかし映画界の男性達はこの手の痩せ我慢系ハードボイルドが好きだよな~。私はそうでもない。

 

美しい星
三島由紀夫が60年代に書いたSFが原作。この人達は地球の心配をしてくれているのよね……?あまりにもぶっ飛び過ぎてて一見ではワケワカランかった!けど、これは絶対クセになる味。後から思い出してはジワジワくるに違いない。

 

追憶
刑事、被害者、容疑者として再会した三人は過去の秘密を共有していた。好きな俳優さんばかりで悪くないんだけど今一つピンと来なかったのは何故だろう……?見所があれこれ多すぎてコレっていう1つの流れに集約しなかったからかな?

 

僕とカミンスキーの旅
隠遁している伝説の画家と、伝記を書こうと押しかけた美術評論家ロードムービーマティスの弟子でピカソの友人、ポップアートで名を馳せたってスゴい設定(笑)。ストーリーもさることながら、エッセンスとしての美術の扱い方が楽しかった。

 

ローマ法王になる日まで
ローマ法王フランシスコ1世の半生。アルゼンチンの軍事政権下でのエピソードの数々に無力感が大きかったのは実話ベースだから仕方ないか。でも、その経験を踏まえればこその、神の恩寵を見た展開には得心がいった。

 

夜空はいつでも最高密度の青色だ
看護師をしながらガールズバーで働く女の子と、工事現場で日雇い仕事をする男の子。それぞれに見ている世界が少しずつ近づいていく物語。昼間のシーンも多かったはずなのに、夜の底みたいな青っぽいイメージが残っているのは何故だろう。

 

スプリット
何がどうスプリットなのかと思ったら人格がスプリットする話だった。監禁、ダメ、ゼッタイ。しかしシャマラン監督は、史上稀に見る意味不明映画【アンブレイカブル】の構想を諦めていなかったのね……そのことに今回一番びっくりした。

 

草原の河
チベット人監督による映画は本邦初公開なんだそう。描かれているのは父親と息子の葛藤の話。どこの世界でも人間の営みは似通っているんだなぁ。

 

 

今回は他にこのような映画も見ました。

ちょっと今から仕事やめてくる】:ブラック企業は辞める以外にどうしようもない(ことが多い)し、ミステリー部分も大体予想した通りだったので、そりゃそうだなという以上の印象を持てなかったのが少し弱かったかもしれません。

花戦さ】:この出演陣の面子を見ると見に行かざるを得ませんでしたが、野村萬斎さんや市川猿之助さんの演技には型ができてしまっている印象があり、お話もどうも型に嵌まった印象になってしまうんですよね…。

 

 

なんかまた前回の更新から日が開いてしまい、公開終了になってしまった作品が多くなってしまって申し訳ありませんでした……。次回はもう少し更新の頻度を上げるべく頑張りたいと思います……。

 

ところで。
ついに!ついに!ついに!ついに!テリー・ギリアム監督がドン・キホーテを殺した男】を撮り終えたっていうニュースを聞きました!うぉぉぉぉマジですか~~~!【ドン・キホーテ…】は決して実現しない物事のことを指し示す代名詞かと思ってましたよ~~~ !! 実現する日が来るなんてウソみたいです~~~ !!