たそがれシネマ

最近見た映画など。

最近見た映画 (2018/12/03版)

 

最近、こんな映画を見ました。

 

愛と法
大阪を拠点に活動する同性同士の弁護士カップルを描いたドキュメンタリー。日々脅かされつつある日本社会の多様性を法律の面から守るべく奔走する二人の姿に涙が出そうになった。

 

日日是好日(にちにちこれこうじつ)
ある女性の姿を通して茶道の真髄を描くことを試みる大森立嗣監督作。お茶の師匠役は樹木希林さん。こんな心映えの美しい師匠に出会えるかどうかが実は茶道の極意なのではあるまいか。

 

止められるか、俺たちを
若松孝二監督率いる若松プロダクションが最も過激だったであろう1970年前後の姿を、実在した女性助監督を通して描く。実際に若松監督を知る白石和彌監督や井浦新さんが若松プロを描くことに大きな意味があると思う。

 

顔たち、ところどころ
アニエス・ヴァルダ監督が若手アーティストとフランスの村々を巡り地元の人々をモチーフにアート作品を創る様子を描く。年の離れた二人の友情がとても自然で、人々を見つめる視線が愛に満ちているのが素敵だった。

 

若おかみは小学生!
両親を亡くし温泉旅館を営む祖母に引き取られた女の子が奮闘する児童文学を高坂希太郎監督がアニメ化。たくさんのキャラクターやエピソードがストーリーに無理なく溶け込んでいるのが素晴らしい。

 

ガンジスに還る
死期を悟りガンジス川のほとりの街に行きたいと言い出した父親に付き添うことにした息子とその家族を描いた物語。人の生死というテーマもさることながら、現在のインドの中流家庭の暮らしぶりが映し出されているのも興味深い。

 

きらきら眼鏡
傷を抱えた男性が“見たものすべてを輝かせる眼鏡”を持つという女性との出会いにより変わっていく姿を描いた千葉のご当地映画。この女性はかなりの難役で、池脇千鶴さんでなければ成立していなかったのではないだろうか。

 

ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ
民族の坩堝であるニューヨーク市クィーンズ区ジャクソンハイツの姿を多面的に描いたフレデリック・ワイズマン監督のドキュメンタリー。人々がそれぞれのコミュニティに積極的に関わろうとする姿が印象的。

 

教誨師
死刑囚達に教誨徳育や精神的救済を目的とした面接活動)を行う牧師を描いた大杉漣さんの遺作。派手さはないけれど静かでずっしりと心に迫って来るいかにも漣さんらしい作品だった……。

 

散り椿
藩の不正に対峙する剣士の姿を描いた木村大作監督の時代劇。やはり絵面の方が重視されているのか、整理不足だったり説明不足だったりする箇所が多々あるような。

 

バッド・ジーニアス 危険な天才たち
天才的な頭脳を持ちながら報酬と引き替えに組織的なカンニングに手を貸す女子高生を主人公にしたタイ映画。親の金以外取り柄がないような連中の言いなりになるのが理不尽。それだけの頭脳があれば他のことに使えたのでは……と思うばかり。

 

ゾンからのメッセージ
「ゾン」という不思議な空間に暮らす人々の思いなどを描く鈴木卓爾監督作品。見終わった直後はさほど強い印象ではなかったのに、「ゾン」て一体何だったんだろう……と今でも時折考えている自分がいたりする。

 

華氏119
マイケル・ムーア監督が描くトランプ政権下の中間選挙前のアメリカ。目の前に浮かんだことを脈絡なく書き殴ったという印象。結局、政治を変えたければ選挙に行こうというメッセージだったのかな。

 

旅猫リポート
死期が近い青年が愛猫の引取先を探して友人達を訪ねる旅をする物語。不幸の釣瓶打ちのような設定には少しげんなりしたが、抑制の効いた描き方で救われているような気がする。

 

クレイジー・リッチ!
アジア人キャストだけで大ヒットを叩き出したことが画期的だったというハリウッド映画。「アジアのどこかの国の大金持ち」にはまだ夢があるんでしょうか。シンガポールにも中流家庭はあるはずなんだけど。

 

ここは退屈迎えに来て
ある地方都市に生きる20代の女性達のかつての憧れや現実を描いた廣木隆一監督作品。様々な心の綾が繊細に描かれた良作なのだと思う……地元に対する思いとは大昔に縁を切った自分の心には刺さらなかっただけで。

 

愛しのアイリーン
フィリピンで結婚相手を買ってきた農村の男とその花嫁を主人公にした新井英樹さんの漫画を吉田恵輔監督が映画化。相手に対する思いやりを欠いたエゴの押し付け合いを愛とは呼べない。救いのない結末がしんどかった。

 

 

絶不調で更新がかなり遅れており、かなり古いラインアップになっていて申し訳ありません……。年内にもう1回更新できるといいのですが。