たそがれシネマ

最近見た映画など。

もっかのベスト5!(2012/02/16)

東京近辺で上映中の映画のうち、現在オススメするベスト5は以下の通りです。

 

1.【ニーチェの馬
(文明のたそがれってこんななのかな。あんまり恐くて泣くかと思った……。)

 

2.【鬼に訊け 宮大工 西岡常一の遺言
(規格化・効率化された現代建築とは対極の超オーダーメイドの伝統木造建築の世界。何百年来の技術に裏打ちされた矜恃と誇りを見よ ! )

 

2.【フラメンコ・フラメンコ
(スペイン芸術の魂を凝縮した歌と踊りと演奏。フラメンコなんて分からんという人もとりあえず観とけ。)

 

4.【キツツキと雨
(気弱な新人映画監督と木こりのおじさんの交流。間合いの面白さが抜群です。)

 

4.【ALWAYS 三丁目の夕日'64
(前2作を見てなくても大丈夫だけど、見てるとより楽しめます。)

 

(次点)【はやぶさ 遥かなる帰還
(個人的には去年の【はやぶさ HAYABUSA】の方が好きかなぁ。)

 

気が付くと今回はすっかりマニアックなチャートになってましてすいません。ニーチェの馬】は、アート系といいますか(しかもミニマル・アートだな)、いわゆる起承転結があるタイプの映画じゃないので、万人にお勧めするのは難しいかとも思うのですが、とにかくインパクトが大きかったのでちょっと冒険してみようかなと。ニーチェを狂気にいざなった馬、とか前フリがありますが途中からそんなことはすっかり忘れ、個人的には完全に未来の黙示録と捉えながら観ていました。文明を成立させているものを次々と剥ぎ取られた時に何が訪れるのか、ひるがえって、自分の今の生活を成立させているものって一体何なのか……人間の生活なんて砂上の楼閣の上に築かれた一瞬の夢なのだと思うと、昨今の世界情勢とか日本の未来とか自分の老後のこととかが走馬燈のように頭の中を流れてゆき、心の中でさめざめと涙を流さずにおれません(泣)。

 

さて、上記以外の映画の感想を少し。【ドラゴン・タトゥーの女】は、スウェーデンのオリジナル版の影響を引きずりまくり、あまりにも独自性を打ち出せていなくてびっくりしましたが、細かいところでオリジナル版の方が勝っている点が多いので(主人公のミカエルとリスベットにしてからもうね)、一体何のためにリメイクをしたんだろうと真剣に思います。【逆転裁判】は……ゲームをプレイしたことがある人なら楽しめるのかなぁ。しかし、この特殊な作品世界でも違和感なくきっちり主人公を演じきっている成宮寛貴さんは、やっぱり滅茶苦茶うまいなぁと思います。