もっかのベスト5!(2012/03/08)
東京近辺で上映中の映画のうち、現在オススメするベスト5は以下の通りです。
1.【ニーチェの馬】
(文明のたそがれってこんななのかな。あんまり恐くて泣くかと思った……。)
2.【鬼に訊け 宮大工 西岡常一の遺言】
(規格化・効率化された現代建築とは対極の超オーダーメイドの伝統木造建築の世界。何百年来の技術に裏打ちされた矜恃と誇りを見よ ! )
2.【フラメンコ・フラメンコ】
(スペイン芸術の魂を凝縮した歌と踊りと演奏。フラメンコなんて分からんという人もとりあえず観とけ。)
4.【メランコリア】
(禍々しく美しい人類の滅亡。最近のL・V・トリアー監督作では随分まともな方。)
5.【おとなのけんか】
(本音と建前の応酬って万国共通。J・フォスターとK・ウィンスレットの共演だけでも見る価値あり ! )
5.【アフロ田中】
(男の子って馬鹿ねーを全力で。松田翔太くんがノリノリで怪演。)
(次点)【生きてるものはいないのか】
(待望の石井岳龍監督作だけど、他の“黙示録映画”と較べて「だから何」感が拭えなかったかも。)
(次点)【ピナ・バウシュ 夢の教室】
(ピナ・バウシュ×ティーンエージャー達のワークショップ。ヴェンダース監督の3D映画ではありません。)
いまいちインパクトに欠ける新作ばかりだな~と思っている間に、確定申告やら何やらしていたらちょっと時間が空いてしまいました。すいません。
以下に、他に気になった映画もいくつか挙げてみます。
【汽車はふたたび故郷へ】は、イオセリアーニ監督の作風が好きであればどうぞどうぞ。
【セイジ 陸の魚】は、伊勢谷友介さんがこんなふうにスカしてるのがカッコイイと思っているのであればちょっと意外だとも感じました。人生、もう一周くらい回ると、もっとなりふり構わなくなるんじゃないでしょうかね(←大きなお世話)。
【戦火の馬】は、日本人に桜を愛でるDNAが刷り込まれているように、アメリカ人に馬を愛でるDNAが刷り込まれているのは仕方のないことなのです。参考作としてR・レッドフォードの監督・主演作【モンタナの風に抱かれて】や【リング】のアメリカ版などはいかがでしょう(あまり面白くないけど)。
(後日の追記)最近、ダスティン・ホフマン主演の『Luck』というドラマが、撮影中に馬が3頭死んでしまったために打ち切りになってしまったんだそうです。あぁぁ、やっぱり……。
【ヒューゴの不思議な発明】は、映画というメディアにイマジネーションを持ち込んだと言っても過言ではないジョルジュ・メリエスに対するオマージュになっているところが、ファンタジーでありながら米国アカデミー会員のおじいちゃん達に受け入れられた大きな理由なのではないかと思います。スコセッシ監督の近作の中では割といいなと思ったのですが、いかんせん長い。3D嫌いの私は当然2Dで見ましたが、本筋にはあまり関係ない3D用の見せ場がだらだら続くのが、映画全体をぶよぶよの肥満体にしてしまっているんです。やっぱり私はまたしても、3Dの向こう側に映画の未来がある訳じゃないと思ったのでした。