最近見た映画 (2016/02/11版)
最近、こんな映画を見ました。
【サウルの息子】
ナチスのガス室の話は読んだことはあるけれど、実写で再現してしまうとこんなにも恐ろしいものか(画面では大分ぼやかしてはいるけれど)。総ての人間性が徹底的に剥奪された世界で最後の尊厳を守り抜こうとした人達を、どこまでも踏みにじろうとしたナチス。彼等の存在もまた人類の一側面なのだという事実が恐い。
【最愛の子】
中国では、都会でさらわれた子供が、跡取りの働き手がいない農村の一家に売り飛ばされるという誘拐事件が多発して、マジで社会問題化しているらしい。(社会保障制度がなくて老後は子供に頼るしかないという事情もこの状況に拍車を掛けているらしい。)国や社会情勢は違っても、子供を愛し、狂おしいばかりに子供を探し求める親の気持ちに変わりはない。子供がいる人が見たら更に心を揺さぶられるんじゃないかな。
【お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました】
昔、ザ・スターリンというパンクバンドがあってだな……。遠藤ミチロウさんは、しばらく見ない間に、過激で訳の分からないおじさん(←自分に理解する能力がないだけ)から 、過激でカッコイイおじさんになっていた。故郷に対する複雑な思いを静かに吐露するミチロウさんの佇まいは神々しいくらい。
【俳優 亀岡拓次】
まるで酔っ払っている時間と時間の間に浮かんでいるような不思議な感覚。こんな映画は横浜聡子監督にしか撮れない。そして安田顕さんはやっぱり抜群に上手い。頑張れ、負けるな亀岡拓次!そしてお酒はほどほどにね。
【の・ようなもの のようなもの】
歴代の森田芳光監督作品のオールスターズ!中でも【の・ようなもの】から35年経った元落語家を演じる伊藤克信さんの存在感が白眉。森田芳光監督への愛が隅々にまで溢れていて、森田ファンとは言い難い私でも少し泣けてしまった。
【猫なんかよんでもこない。】
猫がとにかく可愛い!そして風間俊介さんって上手な俳優さんだな~ということがしみじみ分かる。お兄さん役のつるの剛士さんもよかった。俳優としてのつるのさんももっと見てみたいかもしれない。
【クリムゾンピーク】
ネタとしてはありがちだし、そんなに恐くはないけれど、 ギレルモ・デル・トロ印の重厚なゴシック・ホラー調の画面はそれだけで楽しめる。
【ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります】
古今東西、不動産の売買って大変!家の売り買いをする時にはそれまでの人生を見直してしまうのもあるある~。そんな人生の折々にこの映画のことをちょっぴり思い出す、ようなことがあるかもしれない。モーガン・フリーマンとダイアン・キートンのカップルというのも斬新だった。
【愛しき人生のつくりかた】
ストーリーに派手さはないけれど、失踪したおばあちゃんを心配する孫息子がとてもいい子で癒やされる。パリの街並みやノルマンディーの美しい景色も麗しい。