もっかのベスト5!(2015/05/16)
東京近辺で上映中の映画のうち、現在オススメするベスト5は以下の通りです。
1.【龍三と七人の子分たち】
(人の迷惑を考えないジジィは基本的に大嫌いだが、大目に見てやんなよ~と言われている気がした。)
2.【百日紅 Miss HOKUSAI】
(世界に売り込むにはいい題材。杉浦日向子さんが若くして亡くなられたのは本当に残念だった。)
3.【脳内ポイズンベリー】
(脳内人格の役者さんがみんな達者で大成功。真木よう子さんはこんなふうに悩むタイプには見えないけど…。)
4.【セッション】
(こんなの既に音楽じゃないという領域に行っちゃった、と思ってたら、音楽の神は人知を超えたところにいた。)
5.【アルプス 天空の交響曲(シンフォニー)】
(アルプスの7ヵ国の各地を空撮。アルプスにはヨーロッパ文化の様々な側面が詰まっているのだな。)
(次点)【私の少女】
(子供の虐待とか不法就労者の搾取とか同性愛への偏見とか、どれも日本でもありそうだったりして。)
(次点)【イマジン】
(リスボンの古い町並みを舞台に盲目の男女を描く。反響定位(エコロケーション)という方法を初めて知った。)
(次点)【ギリシャに消えた嘘】
(落ちぶれた詐欺師が更に破滅へと向かう、といういかにも救いのないパトリシア・ハイスミスのミステリー。)
(次点)【キャノンレース】
(ノルウェー縦断カーレース(違法)。うぉぉぉ、ノルウェーの田舎をドライブしてぇ~~ !! )
(次点)【イタリアは呼んでいる】
(英国紳士2人の弥次喜多珍道中。グダグダのジョークの応酬を楽しめる人には味わい深いかも。)
今回は他にこのような映画もありました:
【Mommy マミー】:グザヴィエ・ドラン監督はデビュー作の【マイ・マザー】でも母親との関係を描いており、よほど根深いトラウマがあるんだろうなぁということは分かりましたが、個人的には、そのくらいでもういいよ……(げんなり)と思いました。
【ザ・トライブ】:聾唖学校の生徒同士の力関係を手話だけで描いたウクライナ映画。手話の注釈も台詞も字幕もない表現の力強さが印象的ですが、描かれている関係性がバイオレントでプリミティヴで生々しく、とにかく凄く痛そうでした……。
【インヒアレント・ヴァイス】:70年代ロサンゼルスのヒッピー文化を背景にしたトマス・ピンチョン原作の探偵物語。ポール・トーマス・アンダーソン監督は出世作の【ブギーナイツ】でも70年代を描いていますが、70年代に何らかの思い入れがあるんでしょうか。私はそうでもありません。
【寄生獣 完結編】:不完全燃焼!市役所での殲滅作戦は分量的にお粗末すぎ、後藤との対決では後藤の最強生物ぶりが十分に描けておらず、全く物足りませんでした。予算不足なのか、はたまたレイティングの関係で原作の残虐性を軽減させたいのかは分かりませんが、この原作を扱うのであれば、原作のテーマと密接に関係した生きるか死ぬかの残虐性に向き合って描き切る覚悟が必要で、原作にない台詞などを追加して物語性を膨らませ補おうとしているきらいはあっても、2Dの動かぬ紙媒体よりもショボい描写しかできないのではそもそもわざわざ実写化する意味などないのではないかと思います。そこそこよく描けているという見方もできるかもしれませんが、こういう歴史的名作を敢えて映画にしたいというのであれば、圧倒的傑作を創るより他ないのです。