もっかのベスト5!(2015/12/31)
東京近辺で上映中の映画のうち、現在オススメするベスト5は以下の通りです。
1.【消えた声が、その名を呼ぶ】
2.【母と暮せば】
3.【ひつじ村の兄弟】
4.【あの頃エッフェル塔の下で】
5.【アンジェリカの微笑み】
5.【完全なるチェックメイト】
この他、東京近辺での上映は終了してしまいましたが、【春子超常現象研究所】や【さようなら】なども面白かったです。
年末年始でちょ~っと時間がないのでとりあえずこれだけ。
よいお年をお迎え下さい!
SWは大丈夫か?
【スター・ウォーズ】の新作の鑑賞料金、2000円になるそうですね。
まー興行主には料金を自由に決める権利があると思うのですが、この料金設定、大丈夫ですかね。少なくとも私個人は、そもそも新シリーズにはあまり気乗りがしていなかった上に、わずかに残っていた興味も完全に失せてしまいましたが。
最初のシリーズのエピソード4~6(1977年~1983年)の鮮烈な原体験があるのは完全に50歳代以上か、どんなに若くても40歳代で、それより若い人達は、鳴り物入りだったわりにはちょーっとイマイチだったエピソード1~3(1999年~2005年)の印象の方が強いんじゃないかと思うんですよ……。
まぁ、私の予想が外れ、ビジネスチャーンス !! と目論んでいる業界の期待が空振りしないことを陰ながらお祈りするばかりです。
もっかのベスト5!(2015/11/22)
東京近辺で最近上映された映画のうち、オススメするベスト5は以下の通りです。
(今回ちょっと古めの映画も多くてごめんなさい……。)
1.【裁かれるは善人のみ】
(人生の不条理の機微の描写が素晴らしい。救いは全くないけれど……。)
2.【恋人たち】
(人生の不条理の機微の描写が素晴らしい。ちょっと救いがあるのがいい。)
3.【FOUJITA】
(藤田嗣治の伝記ではなくイメージ映像っぽい。そういう解釈も面白い。)
4.【氷の花火 山口小夜子】
(山口さんが表現者としての自我がこんなにも強い人だったとは知らなかった。)
5.【コードネーム U.N.C.L.E.】
(1960年代のスパイ・ドラマのリメイク。さすがはガイ・リッチー監督な出来。)
5.【光のノスタルジア】【真珠のボタン】
(チリの暗黒の近代史を悠久の大地の記憶に織り込んだドキュメンタリー。)
5.【ディアーディアー】
(田舎の人間関係の閉塞感がこれでもかとてんこもりで描かれていて凄い。)
(次点)【ボーダレス ぼくの船の国境線】
(国境のないアジール的世界を寓話に描く。【駆ける少年】がモチーフなのかな?)
(次点)【海賊じいちゃんの贈りもの】
(じいちゃんと子供達の交流は面白かったけど、後半の展開はちょっとなー。)
(次点)【アクトレス 女たちの舞台】
(ジュリエット・ビノシュに女優を演じさせるってエグいってば……。)
(次点)【起終点駅 ターミナル】
(佐藤浩市さんの演じる初老の男の追憶は秀逸だけど、ポスターはちょっと詐欺。)
(次点)【ボクは坊さん。】
(ちょっと冗長な部分もあるけど、若いお坊さんの成長を丁寧に描いていていい。)
(次点)【ヴィジット】
(ホラーとしては大したネタではないけれど、見せ方が抜群に上手かった。)
【ミケランジェロ・プロジェクト】【グラスホッパー】【ラスト・ナイツ】などは期待からするといまいちだったかな~。
今年の大河は卒業しました。(追記)
1スジ2ヌケ3ドウサ、と言ったのは日本映画の父と呼ばれた牧野省三監督だったか。映画で最も肝腎なのは脚本、その次が演出、その次が俳優の演技、といった意味だけど、裏を返せば、筋立てが悪ければ作品はどうにもなりようがないということ。
「今年の大河ドラマはつまらない」と私は確かに言ったけど。
そこのところは動かしようがないとは思うけど。
それはあくまでも脚本に大問題があるのであり、そんな脚本しか出てこないような企画を立ててそんな体制を敷いた制作統括が全ての責任を負うべき話だろう。
つまり、「今年の大河ドラマはつまらない」のは、あくまでもNHKの側に責任があるのだ。
それを、一部のメディアが主演女優に全責任があるかのような書き方をするのは何なんだ。あまりにも無知蒙昧な所業だとしか思えないのだが。
世の中には確かに俳優さんがダメでぶち壊しになってしまう作品も多数存在している。けれど、大河ドラマに選ばれるクラスの俳優さん達にはそれは基本的には当てはまらないし、ましてや今年の主演女優は、ほんの4年前の朝ドラでヒットを飛ばした作品のヒロインで、他の映画やドラマでもいくつも賞を取ってきたような人だ。彼女の実力不足だなんて私には到底思えない。
俳優さん(及びその所属事務所)にもそんな作品を選んでしまった責任があるという人がいるかもしれない。けれど、彼等は基本的に振られた仕事を請け負う立場にしかないのだし、ましてや、日本のテレビドラマ界で最高峰に位置する(とかつては考えられていた)天下のNHKの大河ドラマでまさかそんなポンコツな脚本が出てくるなんて想像できるわけないだろう。彼等は被害者でしかないと私は思う。
しかし、こんなことをしていたら、俳優さん(及びその所属事務所)の側だって大河ドラマをそれほど絶対視しなくなるし、大河ドラマのために全ての融通を利かせて最上の人材を差し向けようなどとは思わなくなることだろう。
来年よほど頑張らないと、NHKは、自分達の手で大河ドラマのブランドを地に落としてしまったツケをいろいろな面で支払わされることになるに違いない。
もっかのベスト5!(2015/10/09)
東京近辺で上映中の映画のうち、現在オススメするベスト5は以下の通りです。
1.【バクマン。】
(マンガの執筆をここまでポップな青春ものに。原作の力もあるだろうが、大根仁監督の手腕もスゴい!)
2.【私たちのハァハァ】
(あんまりにも世間知らずで危なっかしい彼女達。でも、若いって、そういうことも含めてアリなんだろうな。)
3.【岸辺の旅】
(死んだ夫と旅する不思議な物語。同じ黒沢清監督の【回路】なんかとどこかで繋がっている気がする。)
4.【GONIN サーガ】
(細かな整合性より全体的な雰囲気を味わいたい。そして根津甚八さんに涙せずにはいられない。)
5.【サム・ペキンパー 情熱と美学】
(ジュリアン・レノンのMVってサム・ペキンパー監督だったの !? 他にもいろいろ見逃してるなーと改めて。)
5.【徘徊 ママリン87歳の夏】
(ファンキーな認知症介護ドキュメンタリー。親がなったら……という不安へのヒントを垣間見た気がした。)
5.【天空の蜂】
(原発に対しては是とも非とも言ってないが、この国には原発を止める意思がないとははっきり言ってるね。)
5.【顔のないヒトラーたち】
(ドイツでも戦争犯罪を忘却したがっていた時代があったのね……その後の道筋が日本とは違ってるけど。)
(次点)【木屋町DARUMA】
(画面のインパクトが強烈。絶対に受け付けない人もいるだろうが、遠藤憲一ファンと三浦誠己ファンは見るべき。)
(次点)【ピクセル】
(ストーリーとかに一切期待しなければ、街全体がクラシック・アーケードゲームになってる絵面は楽しいよ!)
もっかのベスト5!(2015/09/11)
東京近辺で上映中の映画のうち、現在オススメするベスト5は以下の通りです。
1.【フリーダ・カーロの遺品 石内都、織るように】
(遺言により未公開だったフリーダ・カーロの衣装や日用品を、日本の女性写真家が撮影。その過程を描いたドキュメンタリー。)
2.【薩チャン正ちゃん 戦後民主的独立プロ奮戦記】
(第二次大戦後、大手映画会社の支配に風穴を開けた山本薩夫監督や今井正監督らによる独立プロの物語。)
3.【ヴィンセントが教えてくれたこと】
(今やハリウッド1クソジジイ役が似合うようになったビル・マーレイ氏主演。ジェイデン・リーベラーくんカワユス。)
4.【彼は秘密の女ともだち】
(男性が女性化して女性との友情→愛情を育む、ってことでいいのかな?なんつーフクザツな話なの。)
5.【わたしに会うまでの1600キロ】
(母親が死んだからってそこまで自己破壊的になっちゃうの?まぁ実話だから仕方ないか。)
5.【ロマンス】
(本作のような等身大の大島優子さんもいい。彼女には今後更にいろんなジャンルの作品で活躍して戴きたい。)
5.【ピース オブ ケイク】
(♪たやすいことよね~と言うほどに容易くない恋愛あるある。ただ主演の二人の熱量が若干低そうに見える。)
(次点)【この国の空】
(いかにも荒井晴彦御大が好きそうな女性観だが、二階堂ふみさんはどう転んでも上手いわねぇ。)
(次点)【ふたつの名前を持つ少年】
(アウシュビッツ収容所解放70周年。ナチスから逃れ自力で生き抜こうとする少年の逞しさが秀逸。)
(次点)【ナイトクローラー】
(成功のためには手段を選ばないスクープ・ハンター。このえげつなさもアメリカという国の一側面なのだろう。)
夏バテ&夏休みボケから立ち直れずぼやぼやしているうちに1ヵ月以上経過してしまいました。毎度のことながら本当に申し訳ございません。もう公開が終わってしまった作品も含まれておりますが、悪しからずご了承下さい。
今回は他に以下のような作品も気になりました。
【くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ】は有名な絵本が原作のフランスのアニメです。【かぐや姫の物語】と同時に米国アカデミー賞にノミネートされていた時から気になっていたのですが、日本でもやっと公開されて嬉しい!私は動物が人間みたいな5本指になっている系の描写がちょっと苦手なのですが、それも気にならないくらい美しいパステル系の色調の画面が素晴らしいです。
【クーキー】は1997年公開の【コーリャ 愛のプラハ】のヤン・スヴェラーク監督の作品。主人公のクーキーを始めとする手作りっぽい人形達が展開するちょっとダークな物語は、いかにも人形劇&パペットアニメ大国のチェコの作品らしくって素敵です。
もっかのベスト5!(2015/08/05)
東京近辺で上映中の映画のうち、現在オススメするベスト5は以下の通りです。
1.【バケモノの子】
(キャラクターも舞台設定もストーリー展開も完全無欠。今までの細田守監督作品で一番好きだった。)
2.【野火】
(ここ10年位に作られた太平洋戦争映画では最も見る価値があるだろう。個人的には藤田嗣治の戦争画を思い出した。)
3.【ルンタ】
(非暴力主義のチベットの人達は怒りを他者へ向けないからテロじゃなく焼身自殺に帰結するのだという…。)
4.【お盆の弟】
(【キャッチボール屋】の大崎章監督の約10年ぶりの新作。渋川清彦さんがたっぷり見られてもう幸せで幸せで。)
5.【セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター】
(最新作『GENESIS』に至るまでの写真家サルガドの軌跡。ていうかまだご存命という基本情報さえ知らなくてすいません…。)
5.【サイの季節】
(やっと公開されたイラン出身のB・ゴバディ監督の最新作。個人的には人物の見分けに苦戦してしまいちょっと失敗。)
(次点)【HERO】
(万人の期待に応えることを狙ってそれを果たすのだから凄いと思う。福田靖氏の脚本もやはり盤石だった。)
ピクサーの新作【インサイド・ヘッド】は個人的には今一つでした。感情の各要素のそれぞれに人格があるような設定そのものに違和感を感じている時点でこの作品の鑑賞者としてはあまり相応しくなかったのでしょうが、JOY(ヨロコビ)って自分だけが正しいと思っている傲慢な感情なのねーという印象を払拭できなくて終始鼻白んでしまったのです。これ、もし日本の人などが作っていたら、SADNESS(カナシミ)をもっと中心に据えた話になってたんじゃないですかね。少なくとも私には、その方がまだしっくりくるような気がします。
先日までテアトル新宿で3週間限定で公開されていた石原貴洋監督の『大阪バイオレンス、3番勝負』の3本【大阪外道】【大阪邪道】【コントロール・オブ・バイオレンス】が本当に素晴らしく、かつて三池崇史監督の映画を最初に見始めた頃のような興奮を覚えました。文字通りバイオレンスをテーマにした作品群なのですが、テンポのよい会話のシーンに宿るユーモアにも何とも言えない味があります。こんな方がいらっしゃったことを知らなかったなんて、自分の不明に恥じ入るばかりですが、もしかして、石原監督に限らず、【サウダーヂ】の空族や【そして泥船はゆく】の大田原愚豚舎など、東京以外に軸足を置いて映画を作ろうとする人々が全国的に少しずつ増えつつあるのではなかろうか、という気がしてきました。