おばさんシネマ

最近見た映画など。

最近見た映画 (2018/10/01版)

最近、こんな映画を見ました。 【カメラを止めるな!】ゾンビ映画かと思いきや、あっと驚きの二重構造。仕掛けの面白さもさることながら、映画への愛が溢れ出す語り口が存外胸に迫る。これを意図して創り上げるクレバーさがあるのなら、上田慎一郎監督は、今…

最近見た映画 (2018/10/01版):補足

上の記事↑に対する補足です。 原田眞人監督の新作【検察側の罪人】は、傑作になれる可能性があった映画ではないかと思います。でも、何もかもがよく出来ているこの映画にはただ1つ大きな欠点があり、それが総てを台無しにしていました。それは二宮和也さんの…

最近見た映画 (2018/08/08版)

最近、こんな映画を見ました。 【万引き家族】最高の演技陣が最高の演出で形にする日本のアナザーサイド。日本映画の最高到達点の一つになって当然。是枝裕和監督がいつか世界最高峰の映画監督の一人に列せられる日が来るなんて、そんなこと昔から分かってい…

最近見た映画 (2018/06/11版)

最近、こんな映画を見ました。 【レディ・プレイヤー1】バーチャルリアリティものにオタク文化のエッセンスを真正面からブッ込むという新機軸の離れ業を軽々やってのける映画界のレジェンド、スピルバーグ監督(アラ古希)。監督のネームバリューと資金調達…

最近見た映画 (2018/04/23版)

最近、こんな映画を見ました。 【ラブレス】ほぼほぼ悲劇にしかならないアンドレイ・ズビャギンツェフ監督作品だが、気がつけば圧倒的に的確な人間描写の大ファンと化していた。本作では離婚寸前の夫婦が自分を押し付け合っているのを聞いてしまった子供が謎…

最近見た映画 (2018/03/08版)

最近、こんな映画を見ました。 【シェイプ・オブ・ウォーター】王子様はお姫様にキスされても化物のままでしたが、二人は幸せでしたとさ。オタクの鑑(かがみ)のギレルモ・デル・トロ監督がメインストリームのど真ん中で認められる日が来るなんて感慨深い。…

2017年の個人的ベスト30映画

2017年の個人的ベスト映画です。 1.【ドリーム】2.【彼らが本気で編むときは、】3.【沈黙 サイレンス】4.【散歩する侵略者】5.【彼女がその名を知らない鳥たち】6.【武曲 MUKOKU】7.【バンコクナイツ】8.【マンチェスター・バイ・ザ・シー】9.【わ…

最近見た映画 (2017/12/31版)

最近、こんな映画を見ました。(2018/01/14加筆) 【彼女がその名を知らない鳥たち 】かつての蒼井優さんはお嬢さん女優のポジションにとてつもない窮屈さを感じていたのではあるまいか。他にも竹野内豊さんや松坂桃李さんのクズぶりや阿部サダヲさんの一途…

最近見た映画 (2017/10/21版)

最近、こんな映画を見ました。 【ドリーム】一挙に今年の個人的No.1候補の1本に。世界中に張り巡らされたグラスシーリング(見えない天井)があちこちで厚くなる一方の今日この頃、最終的にはそれぞれの現場で隣人を変心させるほど頑張るしかないという、世…

最近見た映画 (2017/09/18版)

最近、こんな映画を見ました。 【散歩する侵略者】人間から“概念”を奪う宇宙人を想定した思考実験。個人的にこれが黒沢清監督の最高傑作だと思うのは、今までの作品の中で最もストレートに愛を描いているから。女優として完全に第二期に突入した長澤まさみさ…

最近見た映画 (2017/08/17版)

最近、こんな映画を見ました。 【ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣】ウクライナ出身の天才バレエ・ダンサー、セルゲイ・ポルーニンのドキュメンタリー。現代に生きている人間であれば、傷ついたり悩んだりするのはむしろ当然で、それが奇矯…

最近見た映画 (2017/07/16版)

最近、こんな映画を見ました。 【残像】ポーランドで社会主義政権に弾圧された芸術家ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキを描く。アンジェイ・ワイダ監督が一生を掛けて戦ってきたものがこの映画に詰まっている。真の巨匠の遺作にふさわしい作品だった。 【…

最近見た映画 (2017/06/12版)

最近、こんな映画を見ました。 【武曲 MUKOKU】剣道をテーマにした作品を見たのは『六三四の剣』以来かも。常人には理解しがたい命のやり取りをする道があり、その中で苦しみ抜く綾野剛さんが凄い。村上虹郎くんとの化学反応は必見!個人的にはこれが熊切和…

最近見た映画 (2017/05/03版)

ここ2ヵ月でこんな映画を見ました。 【彼らが本気で編むときは、】私の好きなものばかりたくさん詰まった映画。リンコさんとマキオくんのカップル最強!周りの人物の描き方も丁寧。そして、ち○こを108個編んで供養するという発想がぶっ飛んでいて素晴らしい…

最近見た映画 (2017/02/25版)

最近、こんな映画を見ました。 【沈黙 サイレンス】個人的にはマーティン・スコセッシ監督の最高傑作なんじゃないかと思う。もしかしたらこのまま今年No.1になってしまうかもしれない。 【サバイバルファミリー】おそらく、先の震災時に停電で右往左往したひ…

映画【ゴンドラ】の思い出

伊藤智生監督の【ゴンドラ】という映画のリバイバル上映があり、大昔にテアトル新宿で観て以来、ほぼ30年ぶりくらいに拝見させて戴きました。 伊藤監督は、このたび30年ぶりに二作目の劇場用長編を撮ることを決意し、その決意をより確かなものにするために本…

『ユーリ!!! on ICE』ってどんな話?と聞かれたら

もし、知人の中年男性・中年女性諸氏に『ユーリ!!! on ICE』ってどんな話?と聞かれたら何て答えたらいいのかな?と、この間から考えていて。 で、なけなしの記憶を総動員して頭の中で検索を掛けたら、自分の中で一番近いと思ったのは『エースをねらえ!』だ…

『ユーリ!!! on ICE』が怒濤のラブ・ストーリーだった話(前編)

去年の終盤から『ユーリ!!! on ICE』にどハマリしてしまった話は先日ちょろっと書きましたが、『ユーリ!!! on ICE』の何がこんなに自分の心を捉えてしまったのか……? 本格男子フィギュアスケート・アニメであり、主人公や10人以上いるライバル選手それぞれの…

『ユーリ!!! on ICE』が怒濤のラブ・ストーリーだった話(中編)

本作の原案の久保ミツロウ先生と山本沙代監督は、男子フィギュアスケートの世界をアニメにしたいという動機が根本的にあって、そこから外国人コーチと日本人選手の話を発想していったということです。最初は、本作のもう1人の中心人物であるユーリ・プリセツ…

『ユーリ!!! on ICE』が怒濤のラブ・ストーリーだった話(後編)

(注:今回は特にネタバレ成分および手前勝手な解釈成分が高いので、嫌な方は読まないで下さいね。) 勇利の様子が時々おかしくなるところはそれまでも度々見受けられたのですが、まさか最終話の直前でヴィクトルに別れを告げるとは……。 別れと言っても、自…

『ユーリ!!! on ICE』で好きなキャラ

『ユーリ!!! on ICE』には中心となる3人の人物以外にも魅力的なキャラクターがたくさん出てきますが、その中でも自分が特に好きなキャラクターのことをちょっとだけ書かせて下さい。 まずはみんな大好きなピチット・チュラノン君。嫌な人物というのがほぼ登…

2016年の個人的ベスト20映画

2016年の個人的ベスト映画です。 1.【シン・ゴジラ】2.【この世界の片隅に】3.【リップヴァンウィンクルの花嫁】4.【葛城事件】5.【ひそひそ星】6.【永い言い訳】7.【怒り】8.【日本で一番悪い奴ら】9.【オーバー・フェンス】10.【後妻業の女】11…

最近見た映画 (2016/12/31版)

最近、こんな映画を見ました。 【ニーゼと光のアトリエ】ブラジルの実在の女性精神科医ニーゼ・ダ・シルヴェイラをモデルにした物語。芸術療法や動物療法も今でこそ当たり前だけど、女性の地位が今より全然低く、患者の扱いもひどかった半世紀以上も前に行う…

(前回の続き)アニメがいっぱいな話。

前回の記事に少しだけ書いた【この世界の片隅に】ですが、口コミでじわじわと観客動員数を伸ばしてきているそうですね。館数拡大・ロングランの様相を呈してきたようで、喜ばしい限りです。 既にご存じの方も多いかと思いますが、【この世界の片隅に】は、戦…

最近見た映画 (2016/12/05版)

最近、こんな映画を見ました。 【この世界の片隅に】今年ナンバーワンの呼び声も高い。特に異論は無い。 【ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気】同性のパートナーに遺族年金を残そうとして戦ったカップルの実話の映画化。性的マイノリティの権利獲得という側…

最近見た映画 (2016/11/15版)

最近、こんな映画を見ました。 【永い言い訳】自分の傷だけに延々と囚われ続けて、新たな毒を周りに撒き散らし続ける困ったちゃん。わーものすげぇ近親憎悪。人間のこんな部分を欠陥とあげつらわず“人間なんてこんなものっすよ”と描く西川美和監督は、少なく…

最近見た映画 (2016/10/18版)

最近、こんな映画を見ました。 【怒り】“怒り”とは人を信じ切れなかったことへの慟哭であるように思えた。日本映画界の最良の部分を結集して創られた紛れもない傑作でしょう。 【オーバー・フェンス】【海炭市叙景】【そこのみにて光輝く】に続く佐藤泰志原…

最近見た映画 (2016/09/16版)

最近、こんな映画を見ました。 【後妻業の女】果てしなく暴走する大人の欲望は、ギラギラしててあまりにもグロテスクで、もはや笑うことしかできない。若い人こそこれを見て、トラウマを思い切り植え付けられて、大人のガサガサした世界への免疫でも作っとけ…

イギリスを見習いたい。

リオ五輪ロスに陥っている皆様、こんにちは。 映画に関係のない話題でごめんなさい。だけど、今回のリオ五輪の開会式の演出は【シティ・オブ・ゴッド】【ブラインドネス】のフェルナンド・メイレレス監督だったので、全くの無関係でもないのでは(こじつけ)…

【シン・ゴジラ】は究極のお仕事映画だ。

【シン・ゴジラ】 については、もう既にいろんな人がいろんなことを書いていらっしゃいますが、やっぱり私にも少しだけ書かせてください! 最初、一瞬、官僚や自衛隊ばかりをかっこよく描きすぎでは?と思いましたが、現在の日本に実際にゴジラのような災厄…